Nape、自主企画イベントで示した“モンスター”級のポテンシャル 気鋭3バンドと共に届けた至高の夜

Nape 自主企画『NAPE SHAPE POP 2』レポ

 WATARU(Vo/Dr)、ISSEI(Gt)からなる2人組ロックバンド・Nape。彼らの自主企画イベント『NAPE SHAPE POP 2』が、2月21日に東京・渋谷LUSHで開催された。魚田二月、CheChe、春風レコードの気鋭3バンドを共演に迎え、DJ SPOTがフロアDJを担当。3連休初日の夜をグッドミュージックで満たすパーティが繰り広げられた。

 2024年5月に1stシングル『Sentiments』をリリースして活動を本格化させた彼らは、数々のストリーミングサービスでプレイリストに選出され、Spotifyの『Viral 50 - Japan』にもチャートインするなど、早い段階から話題を呼んでいる注目株だ。ドラムボーカル+ギターという“逆・The White Stripes”のような一風変わった体制ならではの、リズムオリエンテッドかつギタードリブンな楽曲を特徴とし、ロック、パンク、HIPHOPなど多岐にわたるジャンルをルーツに持ちながら、独自のセンスで特有の音楽性に昇華している。という説明だけだと難解そうに聞こえるかもしれないが、一聴すればわかるとおり、手触りはむしろキャッチーで王道そのもの。録音やライブでは原則的にエレクトリックベースを追加し、親しみやすいスリーピースサウンドで届けられる。あくまで“ポップミュージック”たろうとする確たる矜持が明確に窺えるバンドである。

Nape(撮影=北島凜音)

 バンドのさらなる飛躍が期待される2026年は、1月28日に「DENGEKI」、2月18日に「THE MONSTER」と配信シングルの連続リリースで華々しく幕開け。そんな彼らの二度目となるこの日の自主企画は、イベント全体を通じてDJ SPOTが気の利いた絶妙な選曲と卓越したビートコントロールでフロアを支配する中、その間隙を縫うように4バンドが入れ替わり立ち替わりパフォーマンスを披露した。

 ピアノボーカル+ドラムスというThe Dresden Dollsのようなミニマル編成の2ピースオルタナティブポップバンド・魚田二月がトップバッターとしてスリリングかつスタイリッシュなプレイで聴衆を魅了したのち、続いて2番手を務めた4ピースファンクロックバンド・CheCheはダンサブルなディスコビートを軸に確かな演奏力と軽妙なステップでフロアを揺らし続ける。5ピースに同期トラックも加わる大箱仕様のリッチなAORサウンドでオーディエンスを圧倒するネオシティポップバンド・春風レコードは、3番手として渋谷の夜をアーバンに染めあげた。そしていよいよファイナルアクト、すなわち主催バンドであるNapeの出番だ。

魚田二月(撮影=北島凜音)
魚田二月
CheChe(撮影=北島凜音)
CheChe
春風レコード(撮影=北島凜音)
春風レコード

 セットチェンジの間、スタッフの手によってドラムセットが舞台前方へずずいと前進させられる。ドラマーがメインボーカルを担う小編成バンドならではの光景だ。ほぼ定刻どおりに場内が暗転すると、真っ赤な照明に照らされたステージにネイチャーサウンドのSEが響きわたる。それに重厚かつひんやりとしたエレクトリックギターのアルペジオが続き、「THE MONSTER」のスタジオ音源へと繋がる中、WATARUとISSEI、サポートプレイヤーのLEO(大城怜央/Ba)が舞台袖から姿を現して持ち場にスタンバイ。鳴り響く音源に合わせ、1stヴァース後のヘヴィなリフパートから生演奏にスイッチする形で、勢いよくライブの火蓋を切った。

Nape(撮影=北島凜音)
WATARU(Vo/Dr)
Nape(撮影=北島凜音)
ISSEI(Gt)
Nape(撮影=北島凜音)
LEO(大城怜央/Ba)

 エネルギッシュでパワフルなドラミングと実直なボーカリゼーションでグルーヴの中核をなすWATARU、重厚かつきらびやかなエフェクティブサウンドでうなりを上げるISSEIの3マイクSG、そのふたりをボトムから堅実に支える大城の5弦ジャズベース。3人の生音のみで紡がれる有機的かつアグレッシブなアンサンブルと、そこから放たれるオルタナティブかつメロディアスな楽曲群がフロアの観客らを時に高揚させ、時にじっと聴き入らせ、時にコール&レスポンスを誘発して感情を解放させる。サイケデリックな16ビートからパンキッシュな8ビート、ダンサブルな四つ打ち、メロウなR&B系のファンキービートなど、オーディエンスは楽曲ごとにがらりと色を変える変幻自在のリズムに酔いしれた。

Nape(撮影=北島凜音)

Nape(撮影=北島凜音)

 ライブが終盤に差しかかったところで、改めて「ロックバンドのNapeです!」と誇らしげに自己紹介したWATARUは、この日を迎えた思いを口にする。「魚田二月、CheChe、春風レコード……尊敬してやまないバンドたちが出てくれて、マジで笑顔が止まんないっす」の言葉で喝采を起こしたのち、1曲目に演奏した最新曲「THE MONSTER」のメッセージを引き合いにしながら「残り2曲やって、俺らがモンスターのようなバンドになっていくさまを皆さんと一緒に作っていけたらと思います」と力強く言い放った。

Nape(撮影=北島凜音)

Nape(撮影=北島凜音)

 そしてブルースロック調のシャッフルナンバー「DENGEKI」、部分転調を多用したオルタナティブなパワーバラード「LAMBDA」でフィニッシュを決めたのち、アンコールにも応えて2曲を追加でプレイ。印象的なリズムチェンジが繰り出されるJ-POP色の強いフォークロックチューン「Sentiments」、メタリックなギターリフと質実剛健なボーカルワークがスリリングに絡み合う「SUPERMAN」を畳みかけ、熱狂のパーティに勇ましく終止符を打った。

Nape(撮影=北島凜音)

■セットリスト
<Nape>
01. THE MONSTER
02. Rescue Baby!
03. FUGITIVE
04. self-made
05. DENGEKI
06. LAMBDA
<アンコール>
07. Sentiments
08. SUPERMAN

■ライブ情報
Nape 主催ツーマンライブ
『RASEN』
日程:2026年6月21日(日)
会場:Shibuya LUSH
時間:OPEN & START 17:30
料金:一般¥3,500/学割¥2,000 ※別途ドリンク代必要

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