櫻坂46、デビューからの波瀾万丈な歩み 独自のカラーを模索してきた激動の1年を振り返る

 先日放送された『そこ曲がったら、櫻坂?』(テレビ東京)は、櫻坂46のグループ1周年企画。メンバーが撮った写真や動画をもとに、デビューからの1年を振り返る回となった。流れた映像はリハーサルの休憩中の和やかなものや、楽屋裏でふざけ合う和気藹々としたもの、寝顔を撮ったものなど、ファンにとっては堪らないものばかり。下半期を振り返る次回の放送にも期待だ。リリースやライブイベントを通して、この1年で多くの経験を共有した彼女たち。そこで今回は櫻坂46のデビューからの歩みを振り返りたい。

改名と新体制、2期生が中心のグループへ

 今回の放送は昨年10月から今年6月までの上半期分で、櫻坂46としてデビューする直前に開催した『欅坂46 THE LAST LIVE』の話から始まった。番組でもメンバーが「感情がぐちゃぐちゃになりながらもみんなで頑張って乗り越えた」と話していたように、この頃は欅坂46と櫻坂46の活動を並行していたため胸中は複雑だったという。そんななか昨年12月に櫻坂46としてデビュー。心機一転で再スタートした。

 グループ名が変わるというのは一大事であることはもちろんだが、櫻坂46は名前だけでなく多くの物事を刷新した。たとえば選抜制度である。欅坂46時代はメンバー全員が歌唱する全員選抜であった。櫻坂46はまずそこにメスを入れたのである。全メンバー25名(改名当時は26名)のうち、表題曲を歌えるのは14名。そしてセンターを3人制とした。シングルに収録される3つの楽曲それぞれに異なる3人がセンターに立つこの新方式によって、グループイメージをあえて固定せず、作品によって表情を変えるグループへと生まれ変わった。加えて、楽曲によって3列目が入れ替わるスタイルへと変化。メンバーは必ずどれかの楽曲にポジションが与えられるシステムとなった。

 これにより、メンバーたちは常に競い合う関係でありながら、同時に全員にチャンスの与えられる”アメとムチ”のような新体制となった。いわゆるグループの改名は櫻坂46以外にも例が見られるが、ここまで体制を改革した例は珍しいだろう。櫻坂46はまずこの根本的な土台の部分の見直しから行ったのである。

 年が明けて今年の1月には副キャプテンの変更を発表。1期生の守屋茜に代わり、2期生の松田里奈が就任した。これはグループの世代交代を象徴する人事だ。今では表題曲のセンターは2期生の森田ひかるや田村保乃が立ち、最新シングルの表題曲の選抜14名中8名が2期生。実質的に2期生が中心に立つグループへと変化した。今回の放送でも2018年に加入した2期生8人が雛壇の前列に座り、最年少の山﨑天が2列目の司会陣側に着いてMC2人のトークに果敢に対応していた。とりわけメンバーにウザ絡みする松田と、それを指示していたと暴露された武元唯衣のプロレスに対して、井上梨名が鋭く放った「どっちもどっちですかね」で見事にオチていたシーンが印象的だった。あるいは、同じくウザ絡みする松田の話から、藤吉夏鈴の髪のボリュームの話を広げてオチまで持っていった武元のトーク力も見逃せない。いずれも2期生たちのノリが良い流れを生んだ場面である。彼女たちは今、楽曲だけでなくバラエティ面でも中心となって盛り上げているのだ。

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