櫻坂46、さらなる成長の期待高まる完璧なパフォーマンス 守屋茜&渡辺梨加が有終の美を飾った1周年記念ライブ

櫻坂46、1周年記念ライブレポート

 12月9日にデビュー1周年を迎えた櫻坂46が、これを記念した単独ライブ『櫻坂46 1st YEAR ANNIVERSARY LIVE』を12月9日、10日に日本武道館で行った。

 昨年10月に欅坂46から改名し、12月9日にシングル『Nobody's fault』でデビューして以降、新型コロナウイルスが猛威を振るう状況下ながらも着実に歩みを進めてきた櫻坂46。特に2021年に入ってからは4月に2ndシングル『BAN』を発表し、6月には『BACKS LIVE!!』で初の有観客公演が実現。さらに7月には富士急ハイランド・コニファーフォレストでの野外ライブ『W-KEYAKI FES. 2021』で日向坂46と共演。休養に入った小林由依を欠きながらも初の全国ツアー『1st TOUR 2021』を9月から開催し、10月には3枚目のシングル『流れ弾』をヒットさせている。着実に運気が上向きになり始めた2021年を締め括るこのライブは、単にデビュー1周年のお祝いの場というだけではなく、欅坂46時代から今日まで約6年半にわたり活躍してきた1期生の守屋茜、渡辺梨加の最後のステージでもある。本稿では2人の卒業セレモニーも行われた10日公演について記す。

 卒業を控えた守屋と渡辺が影アナを務め、「ラスト、最高の思い出を作るぞ! みんな大好き!」と元気な声が飛び交う中、「Overture」へとなだれ込むと、会場の熱気は急速に高まり始める。ステージ一面に広がるLEDスクリーンにて人差し指で1周年の「1」を表すメンバーの姿が紹介されていくと、そのスクリーンが左右に開き、その中には階段上に勢揃いした櫻坂46メンバーの姿が。ライブはそのまま「BAN」で勢いよくスタートした。桜色の衣装を着たメンバーは派手なレーザー演出を交えながら、パワフルながらも気品の漂うダンスで早くもBuddies(ファンの総称)をノックアウトさせる。

 パフォーマンスを終えると、まずキャプテンの菅井友香が「こうして1周年を迎えて、皆さんと日本武道館で同じ時を共有できることが嬉しいです」と感激を伝える。続いて、田村保乃が「どんなときにもBuddiesの皆さんがいてくれて、時間を共有できていることが本当に幸せです」と感謝を口にし、山﨑天も「高校生になったり周りの環境が変わったりしましたが、みんなと一緒だからなんでも楽しいなと思えました」とこの1年を振り返る。さらに、原田葵は「あかねん(守屋)とぺーちゃん(渡辺)と本当に長い時間、たくさんのことを経験してきて、感謝の気持ちもたくさんあるので、このライブでもそれを伝えたいと思いますし、2人の最後のライブをBuddiesの皆さんと迎えられたことがすごく嬉しいので、皆さんとかけがえのない時間を過ごせたらと思います」と、この日のライブへの意気込みを語った。

 ひとしきりトークで和んだところで、ライブは再開。可愛らしい振り付けが印象的な「美しきNervous」を筆頭に、「半信半疑」「それが愛なのね」などお馴染みのナンバーを交えつつ進行していく。「ブルームーンキス」や「思ったよりも寂しくない」では天井から大型の球体型照明が登場。“青い月”やキャンプファイヤーの役割を果たした。また、曲間には恒例のダンストラックも用意され、齋藤冬優花や武元唯衣などが中心となりその技量の高さをアピール。メンバー一人ひとりが、それぞれ得意とする場面でその才能を発揮するなど、一瞬たりともステージから目が離せない瞬間が続く。

 ライブ中盤になると、前日の公演でユニット名が“ふたりな”に決まったことを発表した井上梨名&松田里奈が「On my way」で溌剌とした歌声を響かせ、3rdシングルのバックスメンバーは「ソニア」を撮り下ろし映像とともに披露。「無言の宇宙」ではセンターの渡邉理佐を軸に、凛とした表情とダンスでBuddiesを魅了する。そして、休養中だった小林がサプライズ登場すると、会場のボルテージは急加速。黒いシャツ&パンツに白いジャケットを身にまとった彼女は、ソロダンスに続いて藤吉夏鈴&遠藤光莉とともに「ジャマイカビール」をパフォーマンスする。大人びたサウンドとクールでキレの良いダンスの相性も抜群なこの曲は、「On my way」と共に今後の櫻坂46に新たな可能性を与えることになりそうだ。そして、続くMCでは小林が「お久しぶりです。このライブから少しずつ復帰して、櫻坂の2年目と一緒に私もスタートできればと思っています」と挨拶。会場は祝福ムードに包まれた。

 「Dead end」でライブ後半戦に突入すると、センターの森田ひかるを中心にパフォーマンスの熱量がさらに高まっていく。続く「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」では藤吉の開放的な表情と糸を使ったパフォーマンスで観客を歓喜させた。幸福感あふれる「Buddies」では冒頭、スクリーンに「1周年を迎えられたのは みんながいてくれたから 櫻坂46」のメッセージが映し出され、曲後半には山﨑が「皆さんがいたから、今私たちはここに立てています。これからも一緒に坂道を駆け抜けてくれますか?」と呼びかける場面もあり、一体感をさらに高めることに。森田、藤吉、山﨑それぞれの成長も大いに伝わる、最強の構成で会場を沸かせた。

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