シズクノメ、メジャー1stシングル「ハイ」で示す存在感 新鋭バンドの魅力を紐解く

シズクノメの魅力を紐解く

 YouTube、TikTokなどに投稿されたカバー動画で瞬く間に人気を集め、優れたポップセンスを備えたオリジナル曲によって幅広いリスナーを獲得。結成からわずか2年でメジャーデビューに至った5人組バンド、シズクノメ。10代を中心に圧倒的な支持を得ている彼らの音楽的な魅力を紐解いてみたい。

映像制作や発信能力にも長けたバンド

 2019年9月、メインソングライターのミチヒロモトキ(Vo/Gt)が、SNSで見つけたボーカリスト・しゅん(Vo)を誘ったことをきっかけに結成されたシズクノメ。YouTube、TikTokを中心に音楽コンテンツで注目を集め、チャンネル登録者数は30万人を超えている(2021年11月時点)。コロナ禍となった2020年以降も、初の無観客ライブ(2021年4月)、TVアニメ『遊☆戯☆王SEVENS』(テレビ東京系)のエンディング主題歌に「Never Looking Back」が抜擢されるなど、活動の幅を拡大し続けている。

 ミチヒロ、しゅん、ぐれむりん(Key/Cho)、宮本テツ(Dr/Cho)に加え、撮影・映像制作を担当するYAHがメンバーとして参加しているのも、このバンドの特徴だ。SNSが浸透した2010年代以降、映像を介して楽曲やアーティスト自身の魅力を伝えることは必要不可欠。数多くのアーティストが映像表現に注力しているが、メンバーにカメラマンを迎え入れているバンドは稀だろう。メンバー全員がルームシェアし、音楽コンテンツを制作しているのも現代的だ。

 シズクノメが映像制作や発信能力に長けたバンドであることは間違いないが、ここで強調しておきたいのは、その中心を担っているのが楽曲自体の魅力であることだ。2019年末に初のオリジナル曲「ワンナイトスタンド」を発表した彼らは、その後も愛らしさに溢れたウェディングソング「ジューンブライド」、ロック、ジャズ、ファンクなどを融合させたダンサブルな楽曲「がらくたのシェキラ」、R&B系のサウンドと切ないメロディ、〈いつの日かこぼれた雫の芽が 綺麗に花咲きますように〉という歌詞と一体となった「雨のち雨」、ゴスペル風のコーラスから始まり、モータウン調のリズム、解放感に溢れた旋律が共鳴する「Never Looking Back」を次々と発表。その最初の集大成と呼ぶべき作品が、1stアルバム『単純的希望』だ。しゅん、ミチヒロのボーカルを活かしたメロディと、生楽器の響きを活かしたアンサンブルが印象的な「パッと咲いて」、R&B、ソウルミュージックのエッセンスを感じさせる、切なくも愛おしいバラードナンバー「君の良いところ」、軽快なギターカッティング、パーカッシブなリズムを軸にしたダンストラック「パーリナイ」などを収めた本作は、このバンドの幅広い音楽性を証明している。YouTubeチャンネルには、人気J-POP楽曲をはじめ、アニソンやボカロ楽曲などの“マッシュアップメドレー”が投稿されているが、J-POPを中心にしたジャンルレスな音楽的嗜好は、シズクノメのオリジナル楽曲にもしっかりと反映されている。

シズクノメ – ワンナイトスタンド[Official Video]
【対決】Mrs.GREEN APPLEマッシュアップメドレー −Mrs.GREEN APPLE Mash Up Medley Battle−

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