INI、BE:FIRST、The Birthday、WANDS、HAN-KUN………11月3日リリースより新譜5作をレビュー
表題曲「YURA YURA」は、TVアニメ『名探偵コナン』(日本テレビ系)のオープニングテーマ。第五期WANDSと『名探偵コナン』のコラボは、「真っ赤なLip」(2020年1月発売)以来、2度目となる。楽曲の核となっているのは、奥深いグルーヴを感じさせる柴崎浩のギターフレーズと、抑制されたAメロ、ドラマティックに解放されるサビのコントラストを際立たせている上原大史のボーカル。特に、ギラっとした攻撃性と叙情的な表情を合わせもった上原の歌声からは、鮮烈なインパクトが伝わってくる。“伝説のバンド・WANDSの新ボーカリスト”として大きな注目を集めてから約2年。上原はまさに今、本来の魅力を発揮しはじめているのだと思う。自らの切実な心象を反映した歌詞にもぜひ注目してほしい。(森)
男性アーティストの楽曲のみで構成された『Musical Ambassador』に続くHAN-KUNのカバーアルバム第2弾『Musical Ambassador II 〜Juke Box Man〜』には、「オリビアを聴きながら」(杏里/1978年)、「ハナミズキ」(一青窈/2004年)、「あなた」(宇多田ヒカル/2017年)など女性アーティストの作品も収録。1970年代から2020年代まで各年代のヒット曲をつなぎ、幅広い年齢層のリスナーが楽しめる内容に仕上がっている。演奏陣には、HAN-KUN自身が長年に渡って関係を築いてきたジャマイカのミュージシャンも参加。現在進行形の本物のレゲエと、日本の音楽シーンを彩ってきた名曲が有機的に結びついた意義深いカバーアルバムと言えるだろう。リラックスした雰囲気と豊かな表現をたたえたボーカル/ラップも素晴らしい。(森)