ユニコーン×WOWOWオリジナルライブ アンコール放送で振り返るコロナ禍におけるライブの面白さ

ユニコーン×WOWOWライブ振り返る

 そんな感じで、プログラムはユニコーンらしくどこか肩の力の抜けた、でもひたすら人間くさい(インタビューしていたのはAIだけれども)空気を出しながら進む。そんな中に「青十紅」の胸を締め付けるようなメロディや「雪が降る町」のあたたかなアンサンブルが不意に流れてくると、なんだか泣きそうになる。〈世の中は 色々あるから どうかお元気で お気をつけて〉ーー普遍性の塊みたいな最後の歌詞が、改めてリアルなメッセージとして届けられる。半分とぼけながらも、聴く人の日常に寄り添い続けてきたこの曲に救われた人も多いだろう。

 そこから流れ込むのがEBI作の力強いロックチューン「大航海2020」というつながりもいい。テッシーのギターソロも冴え渡る。そしてそのロックモードのままABEDONボーカルの「SAMURAI5」へ。ドローンやCGも駆使した大迫力の映像が楽曲を盛り上げる中、ブレイクのABEDONの語りの部分では今日の流れを踏まえたおふざけも投入され、最後のサビではスタッフも総出で旗を振る。まさにユニコーン全部盛りみたいな展開から名曲「ヒゲとボイン」がぶっ込まれる展開も憎い。テッシーのハードなリフ、ABEDONの鳴らすオルガンの音。歌い終えた民生が「ありがとう!」と叫ぶ。

 メンバー全員ともはやおなじみ“AI平山”との最後のトークを挟み、再びステージに戻った5人。この日最後に鳴らされたのは「ZERO」だった。民生とテッシーはアコギを弾き、ABEDONは真ん中に置かれたグランドピアノを弾きながら歌うアコースティックスタイル。さまざまな音楽性やテンション、ニュアンスを見せてきたこのライブがこの親密さを感じさせる形で終わるというのもいい。どこまでもユニコーンらしく、でも普段のツアーでは絶対に見られない特別さもてんこ盛り。彼らは彼らのスタイルで、このコロナ禍における「ライブ」の面白さを存分に見せてくれた。

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■番組情報
ユニコーン×WOWOWオリジナルライブ「カモナマイハウス」
11/23(火・祝)よる6:30 [WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]
12/14(火)午後2:30 [WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]
https://www.wowow.co.jp/detail/171922/-/01
※WOWOWオンデマンドの無料トライアル対象外番組です。

生中継!ユニコーンツアー2021「ドライブしようよ」ファイナル日本武道館
11/24(水)よる6:00 [WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]
https://www.wowow.co.jp/unicorn/

INVITATION INVITATION/ユニコーン #5
11/24(水)午後5:00 [WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]
12/31(金)午後5:00 [WOWOWライブ][WOWOWオンデマンド]
https://www.wowow.co.jp/detail/172169/005/01

WOWOWオンデマンド特集も公開中

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