『変わりゆくもの変わらないもの』インタビュー
DEEP SQUAD、6人で歌を繋いでいく強み 初のCD作品、ビルボードライブへの意気込みも語る
DEEP SQUADが10月13日、ニューシングル『変わりゆくもの変わらないもの』をグループ初のCDでリリースした。表題曲はそれぞれの歌が活かされたバラードナンバーとなっており、『劇場版 抱かれたい男1位に脅されています。~スペイン編~』の主題歌。BL作品とDEEP SQUADの組み合わせは、「Good Love Your Love」がドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(テレビ東京系)で起用されたことが記憶に新しい。その時もアジア圏中心に楽曲が話題になったが、今回もさらなるリスナー層の拡大が期待される。
ビルボードライブ東京&大阪でのクリスマスライブも決定し、さらにレコーディングも度重なるなど、DEEP SQUADの動きは活発になる一方だ。そんな多忙な中にいる彼らに「変わりゆくもの変わらないもの」の制作秘話や、コントラストを描くようなカップリング曲「YOLO」、そして今後の展開についても大いに語ってもらった。(小池直也)
“今後の布石”となるリリースに?
ーー『変わりゆくもの変わらないもの』ができ上がって、今の心境はいかがですか。
DEEP TAKA(以下、TAKA):最&高ですね! 立て続けのリリース、そして大きなタイアップもいただけて率直に嬉しいです。
比嘉涼樹(以下、比嘉):DEEP SQUADとして初のCDリリースということで、皆さんのお手元にはもちろん、自分の手にCDが届くのも楽しみですね。
杉山亮司(以下、杉山):音源が初めてCDの形になるので、思い出に残ることは間違いないと思います。CD屋さんに並ぶなんて夢のようですし、どれだけの方が手に取ってくださるのかなというドキドキもあります。
DEEP KEISEI(以下、KEISEI):CDになるということで襟を正すような気持ちです。できるだけ多くの人に形としてもお届けしたい、と久しぶりに熱量が5倍くらいになっています。
宇原雄飛(以下、宇原):これまでもそうですが、今度こそDEEP SQUADを知っていただこうという気持ちでいっぱいです。
DEEP YUICHIRO(以下、YUICHIRO):この曲が主題歌の映画『劇場版 抱かれたい男1位に脅されています。~スペイン編~』はBLの作品なんです。以前もドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』のエンディングだった「Good Love Your Love」で海外の方にも注目してもらえたので、今回も世界に広がって欲しいなと期待しています。YouTubeに上がっている予告編のコメントも評判がいいんです。
ーー今作がグループとして初のCD化に至ったのはなぜでしょう?
TAKA:ずっと出したかったのですが、コロナ禍の情勢的に難しいところもあり、このタイミングになりました。今回のリリースは今後の布石でもあるんですよ。今DEEP SQUADとして活動を展開している最中なので、流れでこれから皆さんに喜んでもらえるような仕掛けもしていきたいと思っています。
個々がメインボーカルとして成り立っている強み
ーーなるほど。制作のスタートはやはり映画先行だったのでしょうか。
YUICHIRO:そうですね。まず映画のお話をいただいて、楽曲イメージを作家さんにお伝えして映画の内容に沿った内容に仕上げてもらいました。完成した映画はまだ見れていませんが、映画と一緒に楽しめる楽曲じゃないかと思いますし、原作漫画は読んだ後に何とも言えない気持ちになりましたね。それを自分の過去の恋愛などと重ね合わせて、共感できるところを歌に落とし込んでいます。
宇原:曲調のイメージをお伝えして制作していただきました。サビは好きじゃない人がいないんじゃないか、と思うほど良いメロディラインになっています。初めて聴いたときからDEEP SQUADらしさも出せるし、チャレンジもできるなと予感していました。
YUICHIRO:トラックがどことなく“和”を感じさせて美しいんですよ。そこも聴きどころだと思います。
比嘉:確かに。日本人が特に綺麗だと感じるサウンドかもしれません。花鳥風月というか。
杉山:ピアノの疾走している質感が、どこかボーカロイドの楽曲っぽさを醸し出していると思います。
ーーレコーディングの歌入れについてはいかがでしたか。
杉山:プリプロ(レコーディング前のデモ制作)で試行錯誤を重ねてレコ-ディングに臨んだのですが、当初は今と全然違う歌割りでしたね。
KEISEI:「切ない」だったり「儚い」という大きなテーマに対して、声色やマイクリレーの繋ぎ方には特にこだわりました。繋いでいくことが、6人で歌う時に一番大事なところですから。
杉山:その繋ぎ方でギャップが出すぎると世界観が変わってしまうんですよ。誰の声質がその場面に合うのかと全員で話し合った結果、今の完成形が理想のものになっているのかなと思います。最終的には細かい微調整もあり、なかなか難しい歌割りになっていますね。プリプロの音源を聴いたら全然違う音源に聴こえるはずです。
比嘉:実際にレコーディングをしながらパートが変わっていくこともあります。もともとのイメージを共有しているので大きくズレることはありませんが、自分の前に歌っている人の声を聴いて、その雰囲気に合わせるように歌っていくことは重要ですね。
KEISEI:海外のリスナーの方は日本語で何を歌っているかわからないですから、彼らにとっての聴きどころは声の表情なんだと思います。そこでどんな気持ちなのかを伝えていかなくてはいけないので、わざとらしいくらいオーバーに表現してみることもあります。
ーー初回生産限定盤ではそれぞれのソロバージョンの歌唱も聴くことができますけど、こちらはどういう意図で収録されたんでしょうか?
TAKA:初のCDリリースということで特別なものにしたいと思っていたんです。映画の主題歌で僕らを知る人も多いはずなので「個々がメインボーカルとして成り立っている」という強みを提示するには、これが一番よいかなと。初めて聴いた方もそれぞれの声が分かりますし。
比嘉:面白いことに完成版で自分が歌っているパートでも、ソロバージョンで聴くと違う歌い方をしているんですよ。それぞれの表現したい方法が違うので、別のストーリーになっているなと感じました。
KEISEI:より長い尺を歌うことで個性を感じてもらいやすいかと思います。ちなみに自分のバージョンについては「クセがあるな」と我ながら思いました(笑)。やりたいようにやっているなと。
YUICHIRO:やはり1人で歌う方が難しいと思いますよ。
TAKA:実際に歌ってみて気づくことも多かったです。「こんなに難しいのか」とか「いい感情のアプローチをしているんだな」と、改めて他のメンバーへのリスペクトの気持ちが湧きました。最高のメンバーです。