矢野顕子から届いた“ポップソング”という名のおくりもの 音楽への敬意と愛情が詰まった、45周年の新たな名作

矢野顕子、音楽への敬意と愛情

 また、『音楽はおくりもの』というアルバムタイトルは、彼女自身が音楽を生み出す際の根本的な態度にもつながっているように思う。“若い音楽家へのアドバイス”を求められると矢野は、いつも「まずはいい音楽を聴くこと」と答える。古今東西の優れた音楽に触れ、それを吸収してからでないと、人に聴かせられる音楽は生み出せない。その考え方は、音楽は先人たちからの“おくりもの”であり、我々はそれを受け取り、次の世代に受け渡さないといけないという彼女のスタンスに結びついているのだ。

 誰もが気軽に楽しめる歌であると同時に、芸術性も高めていく。二律背反とも言えるバランスを保ちながら、45年に渡って優れたポップソングを生み出してきた矢野顕子。先日、筆者がインタビューした際、「45年間、変わらず続けてきたことは?」という質問に対して彼女は、「いいもの以外作ってことなかった自負はありますね」と笑顔で答えた(『TVステーション』2021年17号/8月18日発売)。ヒットさせることだけにこだわらず、自分にとって“いいもの”を作り続けることで、心ある音楽ファンの信頼を得る。新作『音楽はおくりもの』も当然、その道のりのなかで生まれた作品だ。彼女自身も愛聴しているという本作は、間違いなく新たな名作として浸透することになるだろう。

※1:https://www.jvcmusic.co.jp/-/News/A013518/59.html
※2、3:https://realsound.jp/2021/07/post-821643.html

矢野顕子『音楽はおくりもの』

■アルバム情報
矢野顕子『音楽はおくりもの』
8月25日(水)発売
・45周年記念限定盤(CD+Blu-ray)7,480円(税込)
・通常盤(CD/紙ジャケ仕様)3,300円(税込)
・レコード(1LP)4,950円(税込)

<収録楽曲>
1 遠い星、光の旅。
作詞:糸井重里 作曲:矢野顕子 
2 わたしがうまれる
作詞:糸井重里 作曲:矢野顕子
3 わたしのバス(Version 2)
作詞:矢野顕子 作曲:矢野顕子
4 魚肉ソーセージと人
作詞:矢野顕子 作曲:矢野顕子 
5 愛を告げる小鳥
作詞:糸井重里 作曲:矢野顕子
6 津軽海峡・冬景色
作詞:阿久悠 作曲:三木たかし
7 大家さんと僕
作詞:矢野顕子 作曲:矢野顕子
8 なにそれ(NANISORE?)
作詞:糸井重里 作曲:矢野顕子
9 音楽はおくりもの
作詞:矢野顕子 作曲:矢野顕子
10 Nothing In Tow
作詞:矢野顕子 作曲:矢野顕子

<限定盤Blu-ray収録内容>
『さとがえるコンサート2020』
Members:矢野顕子(Pf/Vo/Key)、小原礼(Ba)、佐橋佳幸(Gt)、林立夫(Dr)
2020.12.13 at NHK Hall
1 バナナが好き
2 クリームシチュー
3 ふりむけばカエル
4 愛を告げる小鳥
5春咲小紅
6 Paper Doll
7 Prayer
8 H.O.S. (Instrumental)
9 When We’re in Space
10 大家さんと僕
11 遠い星、光の旅。
12 また会おね
13 津軽海峡・冬景色
14 ラーメンたべたい
15 ひとつだけ
−ENCORE−
16 ごはんができたよ
17 Greenfields

*『矢野顕子 さとがえるコンサート2021 ~音楽はおくりもの~』先行予約受付URL封入
(45周年記念限定盤及び通常盤・LP盤の初回生産分のみ)
*受付締切:9月12日23:59まで

『音楽はおくりもの』特設サイト
矢野顕子 オフィシャルサイト

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる