アメノイロ。、anewhite、Ochunism、クレナズム、なきごと……気鋭バンドが集結 『ロッキン・ライフ in ライブハウス』レポ
ライブイベント『ロッキン・ライフ in ライブハウス vol.2』が、8月8日に大阪・阿倍野ROCKTOWNにて開催された。本稿では、リアルサウンドでもライターとして活動し、同イベントを主催した筆者(ロッキン・ライフの中の人)自身が当日の模様を振り返る。
アメノイロ。、anewhite、Ochunism、クレナズム、なきごとという持ち味のそれぞれ違う、新進気鋭の5バンドが集結したこの日のライブイベント。
最初にステージにあがったのは、アメノイロ。だった。自身のインストソングである「懐古」をSEにして、ゆっくりとステージに向かう。SEを流し切ると、寺見幸輝(Vo)が「良い音楽を届けに来ました」と言葉にして「海岸通り」の演奏を始める。アメノイロ。というバンド名の通り、青色主体の照明が印象深くステージ上を瞬く。その照明と混ざり合うかのように、透明感ある寺見のボーカルが、ノスタルジーな世界観を作り上げていく。しかし、単純に綺麗なだけで終わらないのがアメノイロ。の凄さである。続く「メリープ」ではアップテンポなビートで会場の空気を大きく変えていく。ロックバンドとしての躍動感を生み出し、アグレッシブに会場を盛り上げていくのだ。その上で、アメノイロ。は、何気ない出会いや別れ、心の中で生じた小さなわだかまりを丁寧に歌ってきたバンドでもあり、この日のライブでもそんな一面を覗かせることになる。今回の筆者との出会いが、ブログ内の記事で取り上げられたことを振り返り、「たまたま」の出会いの大切さを噛みしめるように歌を歌っていたのが、どこまでも印象的であった。
二番手としてステージに上がったのは、Ochunism。“ジャンル不特定6人組バンド”という呼称で活動しているのは伊達ではなく、「rainy」「freefall」「SHOUT」とカラーの違う楽曲を鮮やかかつスタイリッシュに演奏していく。心地よいギターのカッティング、踊るようなベースのライン、幻想的なキーボードの音色、ドラムとサンプリングの洒脱なビートメイクと、オシャレな印象が残る切れ味鋭いアンサンブルを展開していく。しかし、その上でさらにバンドとしての力強さが顕わになっていく場面を目撃することになる。「SHOUT」では、凪渡(Vo)が手を宙に挙げると、それに呼応するかのようにオーディエンスも手を挙げて音に合わせて踊っていくのだ。洒脱なだけではなく、ダイナミズムにライブが展開されていく。凪渡の伸びやかなハイトーンボイスも“SHOUT”を連発していき、ライブの中にどこまでも躍動感が生まれていく。おそらく今回のパフォーマンスで、良い意味で音源のイメージから変わった人も多かったのではないだろうか。そんな変幻自在のライブを展開したのだった。
三番手はanewhite。活動開始から2年ほどのバンドでありながら、ギターロックバンドとしての完成度はすでに高い。それを示すかのように、今回のライブでは曲と曲の繋ぎで毎回見せ場を作り出していく。冒頭に披露したアッパーなロックテイストである「群像劇にはいらない」から次の「metro」の繋ぎでは、速いテンポを殺すことなく、ドラムが巧みにダイナミズムな動きを作り出して、そのまま次の楽曲へとなだれ込んでいく構成に。爽やかさを持ち合わせつつも、ロックバンドとしての激しさも彼らの持ち味であることを感じさせるパフォーマンスだった。また、「カヤ」と「ソワレの街で」の繋ぎも圧巻で、「カヤ」の終わりからリズミカルなベースソロで会場を沸かせたあと、「ソワレの街で」のイントロに華麗に接続していく流れは鳥肌ものであった。「ソワレの街で」のサビのメロディラインは痛快で、そのメロディに合わせてオーディエンスが手を掲げる姿は感動的なシーンであった。曲一つひとつが美しく、キャッチーで魅力なのは言うまでもないことだが、楽曲単体で聴かせるのではなく、ライブだからこその演出で魅せるあたりに、このバンドの美学と凄みを体感させられた。