『バンドリ!』ライブの熱狂が凝縮 愛美、相羽あいならキャストも感動した『BanG Dream! FILM LIVE 2nd Stage』注目ポイント
次世代ガールズバンドプロジェクト『BanG Dream!(バンドリ!)』が8月3日、グランドシネマサンシャイン 池袋にて、劇場版『BanG Dream! FILM LIVE 2nd Stage』先行上映会を開催。本編上映後には、愛美(戸山香澄役)、相羽あいな(湊友希那役)、伊藤美来(弦巻こころ役)、進藤あまね(倉田ましろ役)、Raychell(レイヤ役)、梅津朋美(監督)、森田紘吏(CGスーパーバイザー)、藤田淳平(音楽プロデューサー)、都田和志(ライブサウンドプロデューサー・サラウンドミックスエンジニア)が登壇したトークセッションが行われた。
劇場版『BanG Dream! FILM LIVE 2nd Stage』は、アニメ『BanG Dream! 3rd Season』やスマートフォン向けゲーム『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』に登場する7バンド(Poppin’Party、Afterglow、Pastel*Palettes、Roselia、ハロー、ハッピーワールド!、Morfonica、RAISE A SUILEN)が集結するアニメーションライブ作品の第二弾となる。
今作では、『バンドリ!』のバンドが過去行ってきたライブ音源を、5.1chに再ミックスしてライブ会場さながらのサウンドを再現し、さらに劇場特有の音響設備で鳴らすことによって、ライブ会場以上のダイナミックな音像を追求。また、キャラクターの3DCGはリアルライブのパフォーマンスをもとにアニメーション化するなど、ライブ会場の熱量をそのままフィルムにパッケージし、劇場の大スクリーンで堪能できる作品となっている。
ライブ音源のミックスを担当する都田和志曰く、『バンドリ!』のリアルライブは、会場はもちろん、配信や劇場でのライブビューイング用それぞれに最適な音を作り上げるため、30名以上のスタッフ総出でミックスを行うほど、音響へのこだわりが強いという。今作に関しても、ライブ現場で収録した膨大な音源データを、約1年の期間をかけてミックス。その出来上がり具合については「前作と比べても迫力が全然違う」と自信をのぞかせた。
筆者は同劇場のBESTIA(最新鋭のレーザープロジェクションシステムと3D音響が一体になる次世代の映画館フォーマット)で鑑賞。全体のダイナミックな音像は言うまでもないが、マイクのエコーや息遣いを含めたボーカルの生々しさ、ドラム、ギター、ベースといった楽器隊の粒だった音に至るまで、それぞれが高い解像度で鳴っていた印象を受けた。また、冒頭から上がる観客の歓声も、今ではある意味新鮮だった。新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴い、観客の声出しが難しくなった昨今。このライブフィルムからは、かつて当たり前だった会場全体の熱量や情景が、ハイクオリティな音像と映像によって鮮明に蘇り、その当時の感覚を取り戻すような貴重な体験ができた。
さらに『バンドリ!』音響チームのこだわりは徹底している。実際のライブと同様にメンバーのポジションでスピーカーから出る音を振り分けており、座る座席によって音の聴こえ方が変わってくるのだという。つまりは、推しキャラのポジション側で鑑賞したり、最前列でウーハーによる低音を体感したり、ど真ん中でバランスの良い音を味わったりと、音響ひとつとっても複数の楽しみ方ができる。また、幕張メッセや日本武道館など、それぞれの公演によってメンバーの弾き方や歌も異なるため、どの公演の音源が使われているのかを当ててほしいという、バンドリーマー(ファン)に対する挑戦状とも言える難題も都田からは飛び出した。
梅津監督は、今回音源を5.1chでミックスすると知った時に「音に絵が負けてしまうのではないか」と危機感を覚えたという。試行錯誤した結果、縦横無尽に動き回るカメラワークやキャラクターの豊かな表情、ブレやボケといった臨場感を表現するエフェクトを盛り込むことによって、音源との相乗効果で非常に見応えのある映像が完成した。梅津監督自身も、Roselia「Avant-garde HISTORY」のゴンドラ演出を回り込みで捉えたカメラワークや、RAISE A SUILEN「Beautiful Birthday」で高揚した表情を浮かべるレイヤなどを注目カットとして挙げていた。