Morfonica、朗読劇×音楽で表現したバンドのストーリー デビューからの成長を見せた2ndライブ『Andante』

Morfonica、朗読劇×音楽で表現したストーリー

 『BanG Dream!』(『バンドリ!』)から生まれたリアルバンド・Morfonicaが5月21日、Zepp HanedaでMorfonica Special Live『Andante』を開催した。

 昨年3月に活動を開始して以降、2021年に入ってからは『ANIMAX MUSIX 2021 ONLINE DAY2』とPoppin'Party×Morfonica Friendship LIVE『Astral Harmony』で2回ライブをこなし、コロナ禍が続く中にあっても継続的にライブ活動を続けてきた。

 ワンマンライブとしては約7カ月ぶり2度目の開催となるこの日のライブは、小雨降るなかで多くのファンが集まった。今回舞台となるZepp Hanedaは2020年7月にオープンを迎えたばかりの新しいライブハウス。もちろん声を上げることはできないが、開演時刻になった瞬間に自然と湧き上がっていく手拍子に、この日を楽しみにしていたファンの熱量を強く感じれる。

 倉田ましろ(CV:進藤あまね/Vo.)によるモノローグが始まり、メンバー5人が次々と入ってくる。八潮瑠唯(CV:Ayasa /Vn.)によるバイオリンから、1曲目「金色へのプレリュード」が始まった。曲タイトルの通り、黄色のスポットライトを中心にしたステージ演出に加え、観客からは青色と黄色が混ざり合った色合いが生まれていた。

 2曲目はカバー曲となる「アゲハ蝶」だが、原曲やゲーム内でカバーされているものとも違った演奏を聴かせてくれた。二葉つくし(CV:mika/Dr.)によるドラミングは、曲途中でもどんどんと変わっていくにも関わらず、Ayasaを始め、ギターの桐ヶ谷透子(CV:直田姫奈/Gt.)、ベースの広町七深(CV:西尾夕香/Ba.)も、とめどなく動き続ける運指から丁寧に演奏し、アンサンブルを編み出していく。よりワルツらしいグルーヴを強めたカバーは、Morfonicaが通う「名門お嬢様学校・月ノ森女子学園」の優雅なイメージに寄せているようでもあった。

広町七深(CV:西尾夕香/Ba.)

 この日のライブで特徴的だったのは、2曲ほど曲を披露したのちに、倉田ましろを中心にした朗読劇が挟まっていたことだ。

 自問自答を繰り返しながら海の奥深くへと沈んでいく少女が、Ayasa演じる海の声との会話を始める。「あなたの足で踏み出すの」という言葉をうけて、少女が3曲目「深海少女」を歌い始める。少女が何かしらの存在と出会い、そこから昂ぶった想いが音楽へと形になっていくーー朗読劇と音楽によって物語が紡がれた。

 海に深く潜っていった少女という物語から繋がるように「深海少女」が披露され、4曲目に披露されたデビュー曲「Daylight -デイライト- 」へと連なっていく。この曲の歌詞は〈輝きがいつか(道を照らすなら)夜明けが(来るのを)ひたすら待つよ〉というように受け身の曲だが、直前の朗読劇で少女が自信を持てないままだからこそのチョイスなのだろう。

 花園のなかに迷い込んだ少女は、mikaが演じる花の声と会話を始める。「自分が何者かわからない」と語る少女に、「まだ出会ってないのね」と答える花に導かれ、「ブルームブルーム」を披露する。

 バイオリンのソロが映えるこの曲から、6曲目には粗めなサウンドでギターリフを弾いていく「CQCQ」(カバー)に流れていく。直田が右に左に腕を振れば、観客もそれに応えて振り返し、会場の一体感がどんどんと増していく。7曲目にはカバーとなる「月光花」を奏でる。花園に迷い込んだというシチュエーションにピッタリだ。細い音ながらも絡んでいくバイオリン、硬質なサウンドでバッキングしていくギターのなかにあって、この日一番に力強く歌い上げる進藤の歌声からは、とても17歳とは感じられない風格があった。

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