「BATTLE OF TOKYO」で際立つJr.EXILE 4グループの個性 コラボ曲で聴かせる味わい深く新鮮なハーモニー

コラボ楽曲「Alternate Dimension」と「UNTITLED FUTURE」が示すもの

 また、今作では各グループによる4曲のほか、GENERATIONSとTHE RAMPAGEが歌う「Alternate Dimension」と全4組が参加したラストナンバー「UNTITLED FUTURE」が収録されている。爽やかでノスタルジックな情景が浮かぶ80’s風シンセウェイヴの「Alternate Dimension」はGENERATIONSとしてもTHE RAMPAGEとしても珍しい楽曲。その上、ボーカル陣のエモーショナルな歌唱表現は、今作全体においてもハイライトの一つと言っていいほど味わい深い。川村壱馬・関口メンディーによるラップの“憂い”を感じさせるフロウも含め、全員が楽曲のテンポ感と調和しながらも洗練された哀愁のある歌声を聴かせており、サウンド面でも歌唱面でも新鮮な聴き心地の1曲となっている。

 ラストを飾る「UNTITLED FUTURE」は、Jr.EXILEの全グループが参加しており、物語のエンディングを意識させる壮大なポップバラードだ。同曲は「BATTLE OF TOKYO」作品としては初めてのバラードであり、瑞々しく穏やかなポップサウンドに乗り各ボーカリストの優しい歌声と合唱が美しく鳴り響く。この曲で歌われる「自分にしか見つけられない“名もなき未来”を探し続けよう」というメッセージは、おそらく今後の「BATTLE OF TOKYO」の物語においても重要なものとなるのだろう。

 前作における大きな魅力は、各グループでの活動とはまた一線を画した表現・表情を味わえる点であったが、今作でもそれは大いに感じられる。これらの楽曲が「BATTLE OF TOKYO」の展開にどう関わってくるのかは未知の部分もあるが、その点は発売が予定されている小説の続刊も含め、今後の動きを待ちたいところだ。

GENERATIONS & THE RAMPAGE / Alternate Dimension (Official Trailer)

※1:https://realsound.jp/2021/05/post-770297.html

■日高 愛
1989年生まれの会社員。

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