DOBERMAN INFINITY×☆Taku Takahashi、コラボ制作の裏側 クリエイター同士の刺激から生まれた“新時代の応援歌”

DI×☆Taku Takahashi対談

 DOBERMAN INFINITY(以下、DI)が、6月9日にニューシングル『konomama』をリリースした。白濱亜嵐が主演するドラマ『泣くな研修医』(テレビ朝日系)の主題歌である本楽曲は、☆Taku Takahashi(m-flo)と共同で作編曲が行われ、メンバーとの緻密なやりとりのもとで歌詞が作り上げられていった。彼らのコラボレーションは2ndアルバム『TERMINAL』以来、約5年ぶり。内容は応援歌ながらも優しく寄り添うような言葉が印象的だが、完成に至るまでには長い道のりがあった。

 ☆Taku Takahashiは音楽メディアblock.fmを主宰するなど、近年では音楽ジャーナリストとしての活動も増え、年々、音だけではなく歌詞に惹かれるようになってきているという。制作過程でDIとどのような意見を交えたのだろうか。そして、編まれた言葉を歌としてどのように表現していったのか。DIのメンバー5人と☆Taku Takahashiに話を聞いた。(小池直也)

DOBERMAN INFINITY「konomama」Official Music Video

「自然とm-floサウンドが聴こえてくる」

ーー今回のリリースは☆Taku Takahashiさんとのコラボレーションということで、皆さんの心境はいかがですか。

GS:改めて歌詞の面で挑戦した1曲でした。応援歌としても今までにないアプローチですし、Takuさんからもアドバイスをいただいたりもしています。より多くの人に聴いてもらいたいですね。

P-CHO:久しぶりにTakuさんとDIで制作させていただいたので、ワクワクしましたね。このメッセージを大切にして、ライブなどで歌って育てていきたいです。

KAZUKI:はい、どんな反響が得られるのか楽しみです。

KUBO-C:いろいろと考えながら歌詞に想いを詰め込んだので、どんな解釈や反応があるのか気になりますね。

SWAY:昨年Takuさんから「konomama」のデモ段階の音源を聴かせていただいて、1年を経てようやくその楽曲をリリースできるんだなと。

☆Taku Takahashi(以下、Taku):コロナ禍より前に皆で集まる機会があって、その移動の時になぜかDIと同じ車でした。そこで彼らが「てっぺん獲るぞ!」「そうだそうだ!」みたいな話をしていたんですよ。それを見て「仲間っていいな」と感動したのが印象的でした。それから久しぶりに曲を作ることになって、以前よりパーソナルに意見を交換して作れたと感じています。

☆Taku Takahashi

ーーTakuさんから見たDIの音楽性はいかがですか?

Taku:出身地も世代も様々だし、声の出し方もフロウも違う。それが混ざるところが面白いなと思ってますね。

ーー反対にDIの皆さんから見た、Takuさんの音楽性については?

GS:僕はどこか懐かしさを感じました。90年代に聴いていたR&Bやヒップホップはまた今のものとは違うサウンドなので、こういう曲調に今の僕らが挑戦したら聴く人は新しいものと捉えるんだろうなと想像しています。

SWAY:Takuさんが作ると、自然とm-floサウンドが聴こえてくるんです。音がブランドになっているのがすごい。

KAZUKI:僕も世代的にm-floはよく聴いていましたし、好きだったので、そのサウンドを今歌わせてもらえるのは不思議な感覚です。当時の自分に「何年か後にこの人の音で歌う日が来るよ」と言ってあげたい(笑)。

SWAY

「歌詞はDI史上1位・2位を争う難産でした」

ーー皆さんのコラボは2016年の『TERMINAL』以来3度目となりますが、今回の制作経緯についても改めて教えていただけますか。

KUBO-C:僕らが今回のデモを聴いて気に入って、そこからTakuさんの厳正な審査を潜り抜けて決まりました(笑)。そこからタイアップのお話なども聞いて、歌詞を作り始めましたね。

Taku:特に僕は審査してないですよ(笑)。

SWAY:デモ段階からサビの〈このまま〉という部分は存在していたんですよ。それ以降の歌詞は当初また違うものでした。曲の世界観も別物だったので、あとの部分は僕らで構築していきました。リノベーションですね。

GS:〈このまま〉というワードのパンチ力は残したかったんですよ。デモ段階では恋愛をトピックにした歌詞でしたから、それを「今の時代に向けた、新たな角度の応援歌」にしようと。

Taku:最初はラップではなく、歌ものを想定して作っていたんですよ。それでDI色を注ぎ込んでもらって。

GS:デモと違うニュアンスになるのが心配でしたが、Takuさんが「自分たちが思うようにぜひ」と言ってくださったんです。それで思い切った挑戦ができました。

GS

ーーデモの段階の〈このまま〉というワードは、どこから着想されたんでしょうか?

Taku:僕はデモを作る段階からコライトをしているのですが、一緒に作っているトップライン(メロディと歌詞)チームとのセッションで出てきたフレーズですね。3人チームで制作することが多いですが、割とアイデアが出たら「いいじゃん!」と言いがちですし、曲のイメージは特に考えないですね。制作の後半は細かくチェックしていきますが、前半の段階は何となく「こういうの良いんじゃない?」とか、全然関係のない会話からタイトルや方向性が決まっていったり。そんな流れが多いです。

ーーなるほど。

Taku:狙って曲が作れないタイプなんですよ。m-flo loves 日之内エミ&Ryohei名義の「Summer Time Love」みたいな曲を、とお願いされることもあるのですが、再現できないんです。それはサンプリングを使ってしまうからなんですけどね。適当にやってできてしまうことが多い。プロだから頑張りはするのですが(笑)。

GS:これまでTakuさんとは「どんなの作る?」と言って制作するのが多かったので、今回は別で作られていたものに僕らが乗っけた感じ。

SWAY:それから今回はドラマのタイアップもあったので、その内容を汲み取りながら歌詞が固まっていきました。

Taku:ドラマ側から要望などはあったんですか?

SWAY:それは特になかったです。「konomama」というフレーズを中心に組み立てていった感じで。

KUBO-C:逆に寄せすぎないようにはしたかもしれません。『泣くな研修医』は医者の話ですが、直接それを歌うわけではなくて、もっと大きな枠で頑張っている人に対しての歌詞にしています。

Taku:スタジオで考えていく時って、どのように考えていくんですか?

SWAY:ホワイトボードですね。ホワイトボードに書かれる時はほぼ決定くらいの案ですけど、それまではリモートで歌詞を出し合いながら一度完成まで持っていき、最終的に集まって完成まで持っていきます。

Taku:楽しそう。

GS:常に大喜利です(笑)。今回は頭を使いすぎたので、終盤はとりあえずホワイトボードに書いていったんですよ。でも後で見てみると「やっぱりないな」ということが何度もあって。恐らくDI史上1位・2位を争う難産でしたし、心も折れかけました。それくらい思い入れとこだわりが強い曲です。

P-CHO
KUBO-C
GS
SWAY
KAZUKI
☆Taku Takahashi
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