ハロプロ、2020年はパフォーマンススキル向上の期間に 異例の時期過ごした下半期重大ニュースを振り返る

 年明け直後のこのタイミングで、ハロー!プロジェクトの2020年7月~12月の下半期における重大トピックスを選考し、その半年間に何があったのかを振り返ってみようと思う。

(上半期については、以前執筆した記事「コロナ禍によりハロプロに訪れた変化とは? 2020年上半期重大ニュースを振り返る」をお読みください)

 まずは重要と思われるトピックスを時系列順に10個挙げていく。なお、関連する項目はひとつにまとめた。また、厳密にはハロプロではないアップフロント系グループなども、ハロプロ関連と捉えて選考の対象に含める。

【01】07.04[ハロプロ]『Hello! Project presents… 「ソロフェス!」』(CSテレ朝)放送

『Hello! Project presents...「ソロフェス!」』([Blu-ray)
『Hello! Project presents...「ソロフェス!」』([Blu-ray)

 2020年は、ハロプロ関連のテレビ番組が比較的多めの年でもあった。10月・11月には、ひかりTVにて新レギュラー番組『Hello! Project presents...「Premier seat」』、『ハロプロのコラボNIGHT!』がそれぞれ放送。また、『Love music』(フジテレビ系/2月)、『KURAGAE -私たちのこと、推してください!-』(テレビ東京/4月)、『今夜くらべてみました』(日本テレビ系/9月)といった番組でハロプロ特集が相次いで組まれたり、11月放送の『関ジャム完全燃SHOW』(テレビ朝日系)での「令和のアイドル界で厳選!スゴいボーカリスト10人」にハロプロメンバーが選出されたりもした。

 そして7月には、放送時間5時間のスペシャルな番組がCSテレ朝にて放送、その名も『Hello! Project presents… 「ソロフェス!」』。これはハロプロメンバー52名のソロパフォーマンス一挙放送するというもので、各自がハロプロ楽曲を選曲して歌うなど、形式的には毎年恒例の「ハロプロ研修生 実力診断テスト」に近い。メンバー間の投票も行われ、優勝者にはテレ朝チャンネルで冠番組を放送するというご褒美も用意されていた。

 実際の放送では、歌唱をじっくり聴かせるメンバーもいれば、小道具を持ち込んで変わったパフォーマンスに挑戦するメンバーもいるなど、それぞれの個性を活かした内容となっていて、ハロプロファンにはたまらない番組が実現していた。

 優勝はアンジュルムの川村文乃に決定し、『ソロフェス!優勝ご褒美特番 川村文乃プロデュース「アンジュルムの結局はLOVEでしょ!!」』が9月に放送された。

【ch1】Hello!Project presents…「ソロフェス!」PR動画

【02】07.11[ハロプロ]J-POPを中心としたバラード曲のカバーでコンサート再開

 コロナ禍の影響により、通常の形式でのライブ開催を自粛せざるを得なくなった音楽業界。ハロプロも例外ではなかったが、そこで新たに発案されたのが「ハロプロメンバーがソロで」「ハロプロ楽曲ではなくJ-POPを中心としたバラード曲のカバーを歌う」という形式のライブだ。

 密を避けるためになるべく少人数で、そして観客の盛り上がりを避けるための非ハロプロ楽曲・J-POPバラード曲カバー。なお、観客は一定の距離をとった配席・マスク着用・常時着席・声援は控える、といった制限が設けられた上での開催となった。

 『Hello! Project 2020 Summer COVERS ~The Ballad~』と題されて迎えた初日は7月11日の中野サンプラザ。ハロプロメンバー52名を3チームに分けた3回公演。曲目は事前に発表され、誰が歌うかは当日のサプライズとなった。実際に開催されてみると、以前通りの熱い盛り上がりというわけにはもちろんいかなかったが、ハロプロメンバー一人一人の歌唱をじっくり聴ける機会となり、これはこれでファンにはたまらないものがあっただろう。

 このライブシリーズは7月から9月にかけて36公演行われた。そして引き続き、9月から12月には『Hello! Project 2020 ~The Ballad~』というタイトルで、全国各地で実に141公演が挙行された。コロナ自粛下でのこの公演数は驚異的な多さといっていいし、しかも演者・観客ともども、コロナ感染者はいまのところ一人も出ていない。これは演者側の細心の注意を払ったライブ運営、そして観客側がルールを遵守したことによる結果だろう。

 10月12日には日本武道館にて『Hello! Project 2020 Autumn ~The Ballad~ Extra Number』を開催。これは1公演での出演メンバー数に制限があったこれまでのコンサートとは異なり、ハロプログループが全員集まり(同時期に演劇を上演中だったBEYOOOOONDSは除く)、ソロJ-POPバラードカバーを一挙披露していくという趣向だった。

 また、12月2日には『Hello! Project 2020 ~The Ballad~ Special Number』を同じく日本武道館で開催。今度はBEYOOOOONDSも含めたハロプログループが全組そろい、しかもJ-POPではなくハロプロ楽曲のバラードもしくはミディアム曲を、8~9人のチームごとに歌唱するというスタイルで行われた。要するに、以前のライブ内容へ各要素を段階的に戻そうとしているのがわかる。

 いくら名曲とはいえ、J-POPバラードのカバーばかりでは地味と言わざるを得なく、そこへついに訪れたハロプロオリジナル楽曲披露の機会は、ファンにある種のカタルシスをもたらしただろう。それがたとえバラードもしくはミディアム曲であっても、やはり12月2日の日本武道館公演は特別な感慨があった。

[キャプション]『Hello! Project 2020 Summer COVERS ~The Ballad~』Digest(A team)

【03】07.26[ハロプロ研修生]実力診断テストを無観客有料配信で開催

 ハロプロ研修生の発表会である「公開実力診断テスト」は、2013年から毎年5月に中野サンプラザで行うのが恒例だったのだが、2020年はコロナ禍の影響で中止に。しかし7月に『Hello! Project 研修生発表会2020 ~夏の公開実力診断テスト~』と題して無観客・有料配信で開催された。

 例年では会場の観客がその場で投票してベストパフォーマンス賞を決めるのだが、今回は有料配信の視聴者がネット上で投票できるというシステムが画期的だった。結果、BP賞はモーニング娘。「リゾナント ブルー」を歌った石栗奏美が獲得した。

 また、今回は同時期にハロプロ研修生の密着番組『ハロドリ。』(テレビ東京)が毎週放送されていて、実力診断テストへ向けてがんばる研修生たちの姿をチェックすることもできて、楽しみが倍増したところもあるだろう。

Hello! Project Kenshusei recital 2020 ~ability diagnostic test in summer~ Digest

【04】10.09[BEYOOOOONDS]主演舞台『演劇女子部「アラビヨーンズナイト」』上演(~10.18まで)

 BEYOOOOONDSの出演舞台は、2019年4月の『不思議の国のアリスたち』、11月の『リボーン ~13人の魂は神様の夢を見る~』(こぶしファクトリーと合同)の2つがあり、2020年10月の『アラビヨーンズナイト』が3つ目となる。主演舞台としては2回目だ。当初は4月開催予定だったが、コロナ禍で延期となった。

 「アラビアンナイト(千夜一夜物語)」の世界にワープした女子高生2人組が主役の物語で、西田汐里と岡村美波が演じた。会場では観客同士のソーシャルディスタンスを保った状態での座席配置などコロナ感染対策を徹底したかたちでの上演となった。千秋楽の10月18日まで、演者・観客ともにコロナ感染者を出さずに無事上演を終えた。

演劇女子部「アラビヨーンズナイト」15秒スポット

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