ドージャ・キャット「Say So」なぜ世界的ロングヒット? TikTok発、次世代アーティストの成功を辿る

ドージャ・キャット「Say So」なぜ世界的ヒット?

 TikTokを制する者が音楽チャートを制すーーそんな現象が近年ますます加熱している。

 カントリーラップ「Old Town Road feat. Billy Ray Cyrus」が2019年のビルボード・ホット100で年間第1位となったリル・ナズ・X。現時点で「Roxanne」のSpotify総再生数が70億回に迫っているアリゾナ・ザーヴァス。「Dance Monkey」のヒットでオーストラリアの路上ライブから世界の舞台に飛び出したトーンズ・アンド・アイ。彼/彼女らは皆、動画投稿アプリTikTokでのバイラルヒットをきっかけに世界的ブレイクを果たしたアーティストだ。さらにはドレイク、ジャスティン・ビーバー、チャンス・ザ・ラッパーなど、すでに確固たる地位を築いている大物アーティストたちにとっても、TikTokを活用したプロモーションはいまや必須となりつつある。

リル・ナズ・X「Old Town Road feat. Billy Ray Cyrus」
アリゾナ・ザーヴァス「Roxanne」
トーンズ・アンド・アイ「Dance Monkey」

 そんなTikTokで現在バズを巻き起こしている楽曲が、ドージャ・キャット「Say So」だ。2019年11月7日に発表された2ndアルバム『Hot Pink』からシングルカットされた同曲は、全米チャートで最高5位を記録。4月末の現在も5位をキープしており、今後もロングヒットが見込まれている状況だ。

ドージャ・キャット「Say So」

 ドージャ・キャットは2013年にデビューシングル「So High」をSoundCloudで発表。当時18歳の頃から、彼女の発信拠点は前述のSoundCloudやTumblr、そしてYouTubeといったオンライン上のプラットフォームにあった。そんなドージャが一躍注目を集めるきっかけとなったのが、2018年にリリースされた「Mooo!」。デビューアルバム『Amala』のデラックスバージョンに収録された同曲は「牛」をテーマにしたラップソングで、そのナンセンスな歌詞もさることながら、ドージャ自ら牛に扮したファニーでセクシーなMVが話題となり、瞬く間にソーシャルメディアでミーム化。チャンス・ザ・ラッパー、ケイティ・ペリー、クリス・ブラウンといった人気アーティストがこのMVをTwitterで絶賛したことも、ドージャの追い風となった。

 その勢いのまま、ドージャはリコ・ナスティーをフィーチャーした「Tia Tamera」をリリースし、Tygaが客演した「Juicy」は全米チャートで最高41位にまで上昇。さらには「Candy」もTikTokのリップシンクやダンスチャレンジのBGMとしてミームソング化するなど、ドージャの存在感は日増しに大きくなっていく。そして決定打となったのが「Say So」だった。

 「Say So」がリリースされてから実際にTikTokでバズるまで、時間はさほどかからなかった。ここで鍵を握っていたのが、人気TikTokインフルエンサーのヘイリー・シャープだ。彼女がみずから考案した「Say So」のダンス動画を公開すると、他のインフルエンサーたちもそのダンスを次々と模倣。こうしてヘイリーが生みだした「Say So」ダンスはTikTokユーザーのなかで一気に拡散されていったのだ。

@yodelinghaley

and here’s the dance🤪🥰 and THANK YOU FOR 10 MILLION HEARTS OMG THAT’S CRAZY

♬ Say So – Doja Cat

 TikTokを起点とした「Say So」のバイラルヒットは、ここからさらに加速してゆく。なかでも重要だったのが、今年2月に公開されたMVでヘイリー考案の振り付けを採用し、さらにはそのヘイリーと、おなじくTikTokスターのドンテ・コリーをカメオ出演させたこと。通常、このような流行はダンスルーティーンの出どころが曖昧なまま拡散されがちだが、ドージャはここでオリジネイターのヘイリーや、それをさらに拡散させたTikTokerをフックアップしてみせたのだ。結果としてこのMVはTikTokユーザー内での話題性をさらに押し拡げただけでなく、ドージャが人気インフルエンサーたちからの信頼を得ることにもつながった。

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