TikTokでミーム化したMAMAMOO、愛される理由を分析 高い歌唱力&ダンス、キャッチーさのバランスがポイントに

MAMAMOOが愛される理由を分析

 高いレベルの歌唱力とパフォーマンス力を披露するグループが多数存在するK-POPシーン。その中でもメンバー全員がとびきりの歌唱力を発揮することで注目を浴びたガールズグループがある。2014年にデビューした4人組ガールズグループ・MAMAMOOだ。彼女たちはデビュー1年目にして米ビルボードの「2015年に注目すべきK-POPアーティストTOP 5」にピックアップされるなど、当初からそのポテンシャルを認められた有望株だった。そんな期待に応えるようにMAMAMOOは、2015年にリリースした「Um Oh Ah Yeh」で見事にブレイクし、「You're the best」「Décalcomanie」「Yes I am」を立て続けにヒットを連発。今や、名実ともにトップクラスのK-POPガールズグループといえる存在感を放っている。

MAMAMOO 「Décalcomanie –Japanese ver.-」Music Video

 4人のメンバー(ソラ、ムンビョル、フィイン、ファサ)は誰もが高い歌唱力とダンススキルを誇る。他のグループには、メインダンサー、メインボーカル、メインラッパーなどと、個々のスキルをベースにしたチーム内での役割が決まっていることがほとんどだが、MAMAMOOにはメインとサブのポジションの区別がない。プロフィール上には、ソラがリーダー/ボーカル、ムンビョルがラップ/パフォーマンス、フィインがボーカル/パフォーマンス、ファサがボーカル/ラップ担当となっているが、MAMAMOOにおいてはメインやサブなどという括りは不要なのかもしれない。豊かな声量で楽曲のパワフルなポイントを生かすソラ、優れた表現力が魅力のフィインはもちろん、個性溢れる歌声で強い存在感を放つファサとユニークなロートーンの声でスキルフルなラップを披露するムンビョル。メンバーが持っているそれぞれに異なるボーカルスタイルは、強いチームワークで一つのハーモニーへと結ばれる。MAMAMOOはそんなとびきりの歌唱力を武器に、「Mr.Ambiguous」のようなレトロ風のトラックから、トレンドのエレクトロハウスのトラック「Starry Night」やレゲトンのトラック「gogobebe」まで幅広いジャンルを歌いこなす。

[MV] MAMAMOO - 고고베베(gogobebe)

 彼女たちの魅力を語る上では、堂々としたナチュラルなステージパフォーマンスも欠かせない。等身大なしぐさや表情がうかがえる彼女たちのステージには、重ねられた練習以外にもう一つの理由がある。MAMAMOOはデビュー当時からメンバーの間のワイワイとした雰囲気と元気な姿が犬のビーグルに例えられ、「ビーグルドル(ビーグル+アイドル)」と呼ばれてきた。そのような性格はステージでのウィットに富んだアドリブでも表れる。また、メンバーたちの頻繁なコミュニケーションはチームワークを形成する上でポジティブに作用しただけでなく、音楽のクオリティにも影響した。実際にMAMAMOOのアルバムやステージには、コンセプトから作曲、作詞、振付までメンバーたちの意見が幅広く反映されている。彼女たちのクリエイティビティに溢れたエネルギーが高いレベルのパフォーマンスの源だということだ。2019年の8月から10月にかけて韓国で放送されたガールズグループサバイバル番組『Queendom』でもその元気な性格と高い音楽性が光を放っていた。彼女たちは番組内でも楽曲のアレンジやステージの仕組みに積極的で、完成度の高いステージを披露。その結果、6組の現役ガールズグループが競い合った同番組で、MAMAMOOは堂々と優勝を果たしたのだ。

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