竹内アンナがライブを通じて見せたハイブリッドな音楽センス 1stフルアルバム『MATOUSIC』に高まる期待

竹内アンナがライブを通じて見せたハイブリッドな音楽センス 1stフルアルバム『MATOUSIC』に高まる期待

  トム・ミッシュ、チャーリー・プースなど、世界的なブレイクを果たしているシンガーソングライターに共通しているのは、ハイブリッドな音楽センスだろう。アコギと歌、鍵盤と歌だけで成立するソングライティングを軸にしながら、ファンク、ソウル、ヒップホップ、EDMといったダンサブルな要素を加えることで、現代的なポップミュージックに結びつける。特にソロアーティストの場合、このスタイルをどう取り入れるか? がいまや不可欠と言ってもいい。

 2018年にメジャーデビューした竹内アンナもまた、ハイブリッドな音楽センスを備えたシンガーソングライターの一人だ。幼少期から親しんできたソウル、ファンク、ディスコなどをルーツに持ち、現代的なダンスミュージックを積極的に取り入れた彼女の楽曲は、『at TWO』『at THREE』と作品を重ねるごとに進化。また、ルーパーを駆使しながら、豊かなプレイヤビリティを発揮するステージングでも注目を集めている。2020年2月12日に東京・PLUS TOKYOで行われたイベント『ARBAN+TOKYO #2』に出演した際も彼女は、その独創的なハイブリッドミュージックの魅力を提示してみせた。

 ステージの上に置かれているのは、サンプラーとアコギ。さらに卓上ルーパーを使って即興的にトラックを作り、アコギと歌で表現するのが彼女の基本的なスタイルだ。まずはサンプラーのフレーズを軸にしたトラックを鳴らし、アコギのオーガニックな響きを加えながら心地よいグルーヴを生み出す。オープニングは「TOKYO NITE」。ソウル、R&Bのエッセンスを感じさせるメロディ、ゆったり身体を揺らしたくなるビート、そして、〈バイバイ 半端なトゲなんていらない〉というドキッとするようなフレーズが絡み合う。

 さらにTLCの名曲「No Scrubs」をカバー。原曲のセクシーな雰囲気を残しつつ、音数を抑えたトラックとギター、キュートなボーカルで観客を惹きつける。メロディックなラップからも、シンガーとしての表現の幅広さが感じられた(ちなみに彼女は、これまでのリリース作品のなかでGuns N’ Rosesの「Sweet Child O’ Mine」、ジャネット・ジャクソンの「Rhythm Nation」をカバーしている。この音楽的な視野の広さも彼女のスタイルの糧になっているのだと思う)。

 続く「ALRIGHT」では、アコギ1本でしなやかなグルーヴを作ってみせた。ピックを持ったまま親指で弦をスラップすると、フロアから手拍子が起きる。カッティングギターと鋭利な手触りの旋律も気持ちいい。ギターと歌だけでオーディエンスを踊らせる、彼女の個性とセンスが光る。

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