I Don’t Like Mondays.が語る、流行と普遍が共存するサウンドの妙「まだ思い描く音に届いてない」

I Don’t Like Mondays.が語る、流行と普遍が共存するサウンドの妙「まだ思い描く音に届いてない」

 I Don’t Like Mondays.が7月31日、新曲「DIAMOND」を配信リリースした(MVは31日21時にYouTubeプレミア公開)。今年4月から6月にかけて3カ月連続で発表された「Do Ya?」「Zero Gravity」「Up to U」に続く「DIAMOND」は、R&B、エレクトロ、ロックなどを融合させたサウンドメイク、YU曰く「バンド結成当初のことを思い出しながら書いた」という歌詞を含めて、アイドラのスタンスを改めて示す楽曲になっている。

I Don’t Like Mondays. / DIAMOND

 8月21日には3年ぶりのフルアルバム『FUTURE』をリリース、9月からは全国ツアーがスタート。メジャーデビューから5年が経ち、“時代が追い付いた”というクリシェを使いたくなるほどの充実ぶりを感じさせるメンバーに現在のバンドの状態について聞いた。(森朋之)

「DIAMOND」の裏テーマは“再出発”

I Don’t Like Mondays.

ーーニューアルバム『FUTURE』の先行トラック「DIAMOND」がリリースされます。「Do Ya?」「Zero Gravity」「Up to U」そして「DIAMOND」と新曲の配信が続いていますが、まず、前作アルバム『FASHION』(2016年9月)から現在に至るプロセスについて教えてもらえますか?

CHOJI(Gt):ツアーは2回やりましたね。

SHUKI(Dr):『FASHION』のツアーのあとは、イベントや対バンライブが続いていて。

ーー昨年の秋に行われた全国ツアーは、約2年ぶりのワンマンツアーでした。

KENJI(Ba):そうですね。制作もずっと続けていて。以前は「制作した曲は必ず収録する」というやり方だったんですけど、この3年の間にスタイルが変わって、まずはデモ音源を作るようになったんです。そのなかから曲を選んで、スタッフの意見を取り入れながらブラッシュアップして。そのときにやりたいことを落とし込みながら、少しずつ曲を作ってきた感じですね。

KENJI:「Up to U」も1年半か2年くらい前にデモを作ったんですよ。

CHOJI:曲もたまってるし、ずっと進化していると思います。年齢も大人になってきて、サウンドも洗練されてきたのかなって。

I Don’t Like Mondays. / Up to U

ーー今回リリースされる「DIAMOND」は、約3年ぶりとなるフルアルバム『FUTURE』のリードトラック。この曲を先行配信したのはどうしてですか?

KENJI:「DIAMOND」もけっこう前からあったんですよ。いくつか候補があるなかで、この曲がいちばん食いつきがいいというか、「まずこの曲を出したい」という意見が多くて。自分たちがやりたいスタイルもわかってもらえると思うし、ライブで伝わる速さも含めて、この曲をリードにしようと。サビから始まるし、(曲の良し悪しを)早めに判断するリスナーにも聴いてもらえるんじゃないかなって。

YU(Vo):僕自身せっかちなんで(笑)、最初から掴まれないと、全部聴かなかったりするんですよ。

SHUKI:音の良さも大事ですよね。

KENJI:最初のキックの音とかね。

YU:うん。いまの時代はゆっくり腰を据えて音楽を聴くことが少ないし、シャッフルやプレイリストで聴く人も多いだろうから、すぐに「いい曲」と思ってもらわないと。「DIAMOND」は掴みがいいし、アルバムのリードにぴったりだなと。アイドラっぽさもすごくあるし、この曲をアルバムに入れるのは満場一致でした。

ーー現在の音楽の聴かれ方を意識したセレクトなんですね。歌詞に関しては?

YU:リード曲になることが決まってから書き始めたので、かなり悩みました。いろいろ考えたんですけど、レコード会社を移籍したタイミングでもあるし、“再出発”をテーマにしてみたいなと。それはアルバムの裏テーマでもあるんですよ。「DIAMOND」の歌詞はいろんな捉え方ができるように書いているし、ラブソングにも聴こえるんですけど、僕のなかではバンドを始めたときのことを歌っていて。最初は4人だけだったんですよ、ほんとに。スタッフもファンもいないし、どういう反応があるかもわからない状態で曲を作り始めて、ライブをやって。たとえばの話ですけど、「クソだね」と言われたとしても、「その言葉を糧にしてがんばろう」と思っていたというか。

KENJI:バンドのメンバー以前に仲間っていう感じでしたからね。……エモい話ですね、これ(笑)。

トレンドと普遍性を追求したサウンドメイク

ーー研ぎ澄まされたサウンドメイクも印象的でした。音数を抑えて、ひとつひとつの音がクリアに聴こえるし、エレクトロ感とバンドサウンドのバランスも良くて。

SHUKI:音数を抑えるというか、本当に必要な音だけを選んで、それを精査するというのは以前からのテーマなんですよね。

KENJI:それはデビューしたときから追求していて。参照するのは洋楽の曲が多いんですけど、いいなと思う曲って、シンプルで音がいいんですよね。どうやってそれに近づくかとうのがずっと課題で、それが出来るようになってきたのかなと。

SHUKI:打ち込みと生のドラムのバランスも追求していて。

KENJI:サブベースの使い方とかね。

SHUKI:以前の制作では、マスタリングのときに落ち込むことがあったんですよ。

ーーイメージ通りの音にならなくて?

SHUKI:そうですね(笑)。最近は落ち込みが少なくなってますけど、まだ思い描いている音には届いてないですけどね。

CHOJI:レコーディングをやり直せればいいんですけどね(笑)。海外の売れてるアーティストって、マスタリングが気に入らないと、最初からやり直したりするじゃないですか。

KENJI:僕らにはそんな余裕ないので(笑)。でも、体感の気持ち良さは必要ですからね。

SHUKI:うん。キックの音で曲の印象が決まることもあるので。

KENJI:音もそうだし、フレージングもそうだし。楽器の抜き差しもかなり追求しましたね、今回のアルバムは。

I Don’t Like Mondays. / Do Ya?

ーー生楽器の響きもしっかり活かされていますからね。「Do Ya?」のギターソロもそうですが、ギターの存在感もかなり強くて。

CHOJI:「Do Ya?」のギターソロは、「この部分で弾いてください」ってあけられてたんですよ、もともと。

SHUKI:ギターソロはかなり多いかもしれないですね。

CHOJI:自分ではあまり認識してないんですけど、どうやら弾いてるみたいです(笑)。それがこのバンドの強みだと思っているんですよ。打ち込みもかなり使ってますけど、(ギターの要素を強めることで)バンドらしさが出ているんじゃないかなと。今回のアルバムの制作のなかで、「曲を作ること以前に、自分はギタリストなんだな」という再認識もあって。ギタリストとしての矜持も持っていたいんですよね。

KENJI:「もっとギターをシンプルにしたい」「いや、もっと弾いてほしい」というやり取りも多いんですけどね。俺らはむしろ、「弾いてほしい」と思っていて。

SHUKI:そういう会話はしょっちゅうですね。いま流行っている海外の曲って、ギターが入ってないことが多いじゃないですか。そういうテイストの曲を作ったときも、「ここにどうやってギターを入れる?」という話になるので。「入れない」という選択肢はないんですよ。

CHOJI:いつもチャレンジさせてもらってます(笑)。打ち込みを軸にしたトラックのなかでどうやって生楽器を入れるか? ということに関しても、かなり可能性が見えてきて。アルバム制作の後半は、そのあたりの意識も高まってましたね。

KENJI:うん。ベースに関しても、曲によっては全部シンセベースを使っていたり。ドラムもそうだよね?

SHUKI:そうだね。アルバムの収録曲のうち、大体半分くらいはドラムを叩いてないんですよ。1枚目のフルアルバム(『TOKYO』/2015年)の頃は、「この曲は打ち込み、この曲は生ドラム」ってはっきり自覚していたんだけど、最近はそれほど意識してなくて。生でも打ち込みでも、曲が良くなればそれでいいので。

ーー音楽性の幅もさらに広がっていますよね。70年代〜90年代のブラックミュージックを軸にしながら、新しい要素もたっぷり取り入れていて。

KENJI:方向性を決めないというのが、このバンドのスタイルですからね。トレンドを意識しながら、普遍的なものを目指しているというのかな。いろんなものを自由に取り入れられるのが僕たちのおもしろさだと思うので。

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