WANIMA、10-FEET、BUMP……人気バンドの音楽ストリーミング解禁、集中した理由は?

 今回取り上げた3組には2つの共通点がある。ひとつは、7月にリリースを控えていること。WANIMAは17日にシングル『Summer Trap!!』を、10-FEETは24日にシングル『ハローフィクサー』を、そしてBUMPは10日にアルバム『aurora arc』をリリース予定である。そしてもうひとつは、夏以降がライブラッシュであること。10-FEETとWANIMAは『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019』、『SUMMER SONIC 2019』といった大型フェスを筆頭に今年も全国各地のフェスに多数出演予定。BUMPはフェス出演こそ『ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019』1本のみだが、7~11月にツアーを実施する。今回のストリーミング解禁のニュースに関しても、東京ドーム2デイズ公演開催の報とともに告知されていた。つまり3組とも、下半期に向けて活動が活発化しているところであり、今回のストリーミング解禁は、プロモーション的な側面も強いように思える。

 ストリーミング解禁の動きは今後さらに広まっていきそうな予感がするため、引き続き注目していきたい。最後に今回取り上げた3組のライブ定番曲を紹介して本稿を締め括りたいと思う。

WANIMA 

「ともに」

爽快感ある曲調のライブアンセム。WANIMAらしくポジティブなメッセージソングだが、青春の陰から目を逸らさない歌詞にも注目。

「THANX」

初期の頃から演奏され続けている曲。〈始まったばかり 主役はお前 準備は出来たんですかい?〉という序盤の歌詞はライブだとまた違う意味合いに聴こえる。

「いいから」

WANIMAの持ち味の一つともいえる、ストレートにエロを歌った曲。音源にも掛け声や手拍子の音が入っていてライブでの光景が目に浮かぶようだ。

10-FEET

「RIVER」

いわゆる初期曲であり、この曲によって10-FEETの“王道”が確立された印象がある。同じフェスに四星球がいる場合、彼らがこの曲のオマージュ「時間がないときのRIVER」を披露することも。

「その向こうへ」

制作中に東日本大震災が発生、それを受けて綴られた歌詞の誠実さにも注目。サビにおけるTAKUMA(Vo/Gt)の絶唱、繰り返される〈その向こうへ〉の力強さにグッとくる。

「ヒトリセカイ」

ドラマ『バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~』のオープニングテーマだったため、この歌い出しに聞き覚えのある人も多いのでは。ライブではクライマックスに披露されることも多い。

BUMP OF CHICKEN

「天体観測」

言わずもがな初期のヒット曲。BUMPからの影響を公言するバンドは数多くいるが、今改めて聴くと、この曲が10年代ギターロックの基本フォーマットになっているような感じがある。

「ray」

バンド初のフィーチャリングアーティストとして初音ミクを迎えたことも話題になった曲。エレクトロサウンドを取り入れたアプローチが本格的に取り入れられるようになったのもこの頃だ。

「ガラスのブルース」

インディーズ期から存在する最初期曲のひとつ。バンドのモチーフである“猫”がこの頃から使用されていることが分かる。ライブではアンコールに演奏されることが多く、観客によるシンガロングパートもある。

■蜂須賀ちなみ
1992年生まれ。横浜市出身。学生時代に「音楽と人」へ寄稿したことをきっかけに、フリーランスのライターとして活動を開始。「リアルサウンド」「ROCKIN’ON JAPAN」「Skream!」「SPICE」などで執筆中。

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