Rude-αは、新たなポップスターに? ヒップホップのみにとどまらない越境的な音楽性を分析

 もともとはヒップホップの一要素であったはずのラップが、ひとり歩きして今はユニバーサルなスキルとなっている。こういう話をネットですると議論の対象となり「ヒップホップとは?」ということになるので控えめにしたい。しかし世界中でラップがポップな表現方法になっているのは確か。ラッパーからポップスターになる事例も数多く、現在BillboardTOP100で1位に君臨しているのも20歳のラッパー、Lil Nas Xの「Old Town Road」だ。

Lil Nas X – Old Town Road (Official Movie) ft. Billy Ray Cyrus
Rude-α『22』

 日本ではテレビ番組『フリースタイルダンジョン』(テレビ朝日系)が2015年に放映開始されたことで即興ラップの人気がお茶の間に達した。同番組では、多くのラッパーが紹介されたが、瞬間芸術であるフリースタイルMCで長く生き残るのは難しい。時代に響く作品を残さなくてはポップスターにはなれないからだ。

 そんな戦局のなかで、ひときわ輝きを放つ若手ラッパーがRude-α。高校生でストリートダンスとラップに開眼した彼は『BAZOOKA!!! 高校生RAP選手権』の第6回大会で沖縄代表として出場し、準優勝を勝ち取った。これを足がかりにバトル大会で活躍して成りあがるルートを行くと思いきや、彼はそれを選ばなかった。かと言って、純粋にヒップホップを極めるというわけでもなく、上京してから制作やミュージシャンとのセッションに励んでいく。Rude-αが選んだのは、いちラッパーとして他の音楽と混血していく道だった。

 特にDALLJUB STEP CLUBのドラマー・GOTOとの楽曲「19」は異色のコラボで、緻密なリズム割りのビートにひるまない19歳のRude-αのラップが聴きどころ。そして彼は現在、主にバンドセットでライブをしており、生演奏ならではの空気感やグルーヴを活かしたパフォーマンスを得意としている。日本ではシーンが離れているためか、ラッパーと演奏家が出会いづらい雰囲気を感じるが、今や彼はミュージシャンたちと意思疎通できる貴重なMCのひとり。それができるのも、ヒップホップというジャンルから飛び出すことを恐れなかったからだろう。

Rude-α feat. GOTO (DALLJUB STEP CLUB) 「19」

 彼の越境的なセンスは随所で見ることができる。ひとつはカバーの選曲だ。YouTubeにアップロードされている動画だけでも、Suchmos、ASKA、FUNKY MONKEY BABYS、あいみょん、THE HIGH-LOWS、ORIGINAL LOVEなどの曲を取り上げていた。統一感はあまり感じないが、Rude-αを構成している音楽的な要素としてJ-POPが大きいことがうかがえる。彼が音楽の原体験として挙げるORANGE RANGEも、幅広い影響源から引用して作品を生み出していたが、それに似た雑食ぶりを感じる。

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