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KREVA、ソロデビュー15周年キックオフインタビュー ヒップホップの変化とともに進化する表現

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 ソロデビュー15周年を迎えたKREVAが、野心的な企画を次々と打ち出している。

 まず告知されたのは、9カ月連続リリースと6月の日本武道館でのワンマンライブ。1月には第一弾として「音色 〜2019 Ver.〜」が配信リリース、2月27日には第二弾としてカセットシングル『基準 ~2019 Ver.~/ストロングスタイル ~2019 Ver.~』がリリースされる。

 アニバーサリーイヤーのプランについて、そして『908 FESTIVAL』や『完全一人ツアー』など唯一無比のスタイルを築き上げてきたライブパフォーマンスについて、そしてヒップホップシーンの今を彼がどう見ているかについて、たっぷり語ってもらった。(柴那典)

バンドで録り直すギリギリセーフのタイミングだったかも 

ーー今年はどういう一年にしようと思って今回の企画を始めたんでしょうか。

KREVA:具体的に言うと、普通のベストじゃなくて全曲録り直したいっていうのは、結構早い段階で言ったような気がする。アニバーサリーっていうとベストというのがありがちだけど、ただ出すんじゃなくてバンドで録り直そうというのは、だいぶ前から決めてました。

ーーバンド編成でのツアーを重ねてきて、かなり経ちますよね。

KREVA:そうですね。8年くらいかな。

ーーその手応えがあったからこそ録り直そうという発想が出てきた。

KREVA:もちろん。自分自身もバンドとやることで、ラップも歌も上手くなったと思いますね。例えばDJとだと必ず同じ音が出てきて、そこにどうアプローチしていくかというものになる。もちろんそこはいいところでもあるし、同じだからこそ上手くなろうっていうのもあるんだけど、そこに、毎回表情を変えるバンドの中で際立っていくにはどうしたらいいかという発想が加わった。それは満足のいく伸びを見せられたと思うから、そろそろ形にしてもいいんじゃないかと思えた感じですかね。

ーーラップの表現が、いわゆるミュージシャンシップに近いものになった感じがある。

KREVA:そうだと思う。最初の頃はバンドの演奏するトラックに乗っかってる感じがあったけど、今は楽譜を見ながら「ここはこう」って指示したりできるようになってきた。より理解も深まったし、成長できたところはあるかな。

ーー加えて、今の時代ってベスト盤という発想自体もどうかと思うんですよ。

KREVA:そうだね。必要性が微妙っていうか。

ーーストリーミングサービスに「初めてのKREVA」とか「This is KREVA」っていうプレイリストがあれば、それを聴けばいいじゃん、って。

KREVA:そう(笑)。だから、新しく録って表情を全く違うものにしたかったっていうのはあるかな。二回もベスト盤出してるし、リマスターって言っても「何に向けての?」っていうね。

ーーそう、リマスターも難しいですよね。

KREVA:うん。CDに向けたマスタリングと、ストリーミングに向けたマスタリングが、全く違う方向になってきているから。それが音楽のトレンドさえ作るような流れがある。アメリカみたいに完全にストリーミングが主流になったらそっちに振り切るっていう手もあるけど、日本ならある程度CDで聴く人もいるわけだし、そうなるとリマスタリングも難しい、ちゃんと作り直すというか、やったことない形にトライしておくのがいいかなと。

ーーこないだ、ロックバンドが低域のサウンドにどう向き合うかというテーマでASIAN KUNG-FU GENERATIONのゴッチ(後藤正文)にインタビューしたんです。そこでもCDとストリーミングで音作りのルールが変わってきたという話をしていて。これは、バンドだけじゃなく、全てのミュージシャンが向き合わざるを得ない問題になっている。

KREVA:間違いない。

ーーそこに関しては、どう捉えてますか?

KREVA:俺は前向きに進めていきたいタイプですね。でも、研究はちょっと足りなかったかなと思う。ただ、ゴッチが言うように、ストリーミングだとバンドの方が絶対に不利なんだよね。隙間がある音の方が強く聴こえる。

ーーですよね。サブベースでローエンドの低域をすごく鳴らして、中域を思いっきり抜いて、上の方でハットを鳴らすような、隙間の多い音作りの方が映えるというか。

KREVA:そうそう。だから、今回バンドで録り直すって、ギリギリセーフのタイミングだったかもしれないね。

ーーいや、ドレイクみたいな音作りがストリーミングにおけるひとつの正解だとするならば、むしろ今回のバンドアレンジはその真逆だと思うんです。めちゃくちゃこってりとしたロックバンドのアレンジになっている。

KREVA:ははは(笑)。でもまあ、フリみたいな感じかな。全部をこっちにしようというのは全くない。自分が作る今のストリーミングに合っているようなサウンドは好きだし、今後はそうなっていく気がするけど、ただその一方でライブはバンドでやってるわけだし、その音源は今までなかったから、今回ちゃんと録ったのはいい経験だった。ビクターのいいスタジオに入って、いつもライブしてるみんなとじっくり録ってみて、改めて録音物とライブの違いを感じることができたし。俺が普段聴いてるような音楽の強さもわかったし、その一方で、みんなで演奏を重ねるもののよさも感じてるから。「どっちも良い」って言いたい気持ちはありますね。ただ、とにかく勉強しないといけないな、って。バンドでやることでよりそう思えた。

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