インドネシアで愛される“Chika Idol”の存在 チェキ、コール、対バン……日本のアイドル文化の輸入と独自の事情も

虹のコンキスタドール、FES☆TIVE、Task have Fun……日本のライブハウスシーンで長く活動している女性アイドルグループの楽曲たちが海を越えたインドネシアでも愛されていることをご存知だろうか。
2011年にAKB48の姉妹グループという形でJKT48が結成され、彼女らがAKB48の楽曲のカバーを現地のメディアで披露するようになったこともあり、インドネシアでは日本のアイドルカルチャーが他の東南アジア諸国に比べて身近であることは想像に難くない。しかし、インドネシアではJKT48のようなメジャーアイドルだけでなく、ライブハウスシーンを賑わせているアイドルグループは“Chika Idol”(チカアイドル)として現地のファンに愛されているという。日本のアイドルグループがなぜインドネシアで愛されているのか、その何がインドネシアのファンに刺さっているのか、現地で生活する日本人アイドルファンである清水さん(仮名)にシーンのリアルを聞いた。
インドネシアのアイドルシーンを語る上で、JKT48の存在は欠かせないだろう。彼女らはインドネシア国内でどのような存在なのだろうか。AKB48と同様にJKT48劇場を持ち、活動しているJKT48。清水さんは「劇場での活動はもちろん、大きなイベントに出演したり、サッカーW杯予選の試合の後にパフォーマンスする時間があったり。日本でいうところの乃木坂46のような活動をしています」と話す。

そのような“メジャーアイドル”がいる一方で、日本でいうところのライブアイドル、いわゆる“地下アイドル”の活動も著しい。清水さんによると、「彼女たちはインドネシアでも“Chika Idol”と呼ばれています。活動も毎週のようにライブがあり、対バン形式で何組かが出演していて、数曲歌って、特典会としてチェキを撮ったりしています」とのこと。
面白いのは、Chika Idolのカバーステージで披露される楽曲だ。Chika Idolの中にはオリジナル曲を持つグループもあるが、オリジナル楽曲だけではライブのセットリストを組めないことが多いそう。そこで、日本のアイドルソングがカバーされていることが多いようだ。カバーされる楽曲もかなり特徴的だと清水さんは言う。
「日本で人気の曲がそのままインドネシアで人気というわけではないです。特典会でメンバーに話を聞いてみると、メンバーが好きな曲を選んでいることが多い。あと、国民の約8割が信仰しているイスラム教の考えが根付いているのか、オリジナル曲の歌詞のテーマとして、直球的なラブソングは少ないような気がします。それよりも、『あなたのことは好きだけど友達同士でいようね』というような恋愛感情を含んだ友情をテーマにした曲が多いんです。AKB48の『Only today』という曲も人気なのですが、歌詞には〈明日になれば 友達の/3人に戻るだけさ〉とありますよね。インドネシア独自の事情もあるかもしれないです」


















