『第7回アイドル楽曲大賞2018』アフタートーク(インディーズ編)
2018年は実りの多い年だったーーアイドル評論家4氏が語る、インディーズシーンに芽吹く新たな文化
フロアアンセムの重要性
ーー去年「3WD」で1位だったTask have Funは「キミなんだから」が4位。以前と同じGUCCHOの作曲です。
宗像:「3WD」はチープなシンセのような、スパイ映画で流れてきそうな曲だった。同じ作曲家でもずいぶん雰囲気が違う曲を作るんだなと。
岡島:熊澤(風花)さんのグラビア活動は評価高いです。他の層にアプローチできますし。
宗像:タイアップでオサカナが楽曲を届けたように、Task have Funはタイアップがなかったとしても、グラビアによって回路を作っていくわけですよ。「熊澤風花は誰だろう?」と。例えば「制コレ18」(『週刊ヤングジャンプ』誌面開催のオーディション)でニジマス(26時のマスカレイド)の来栖りんちゃんがグランプリを取って、インタビューが載っていたり。
ガリバー:『ももいろクリスマス2018』の外ステージにタスクが出ていて、「3WD」を歌った時にモノノフも含めてファンの振り付けが揃っていて不思議だったんですよね。でも、今の話を聞いてそういったメディア露出から浸透していたのかなとも思いました。
ーータスクはメジャーに行けそうな気がしますけどね。
宗像:僕は早く行った方がいいと思っている。神宿ももっと早くて良かったと思ってるし、アプガ(アップアップガールズ(仮))も行って欲しかった。
岡島:タスクはモデルやグラビアなど、個人での活動を強めた方がいいと思います。インディーズの場合、ここまで行ったらアイドルファン層だけで規模を上げて行くのは無理、というところが決まっているから、そこまで行ったなら外にアプローチしていった方が。
ガリバー:それこそ、ニジマスとかamiinAはメジャー候補ですよね。
岡島:ニジマスは、ほかのインディーズグループとは違った華やかさがありますよね。
ーーそんなニジマスの「チャプチャパ」は5位。
宗像:オールディーズっぽくていいですね。やっぱり、フロアアンセムが大事なんでしょうね。この曲もサビが強力にキャッチーじゃないですか。
ーー先ほど話題にも挙がったamiinAの「Jubilee」は6位です。
岡島:GOING UNDER GROUNDの松本素生さんが作った楽曲で、amiinAのイベントにも出ていました。
宗像:amiinAは、これまでアイリッシュ色が強かったんですけど、この曲に関しては松本さんがスケールのデカいフェスで聴かせられる曲を書いたというのが大きいですね。
ガリバー:2017年は「Canvas」がアンセムとしてありましたけど、2018年はこの「Jubilee」だった。運営は毎年きちんと新しいアンセムを作ろうとしている。
宗像:小林清美先生が書いている「eve」もめっちゃいいんですよ。それでも、6位に「Jubilee」が入って来るというのはフェスアンセムというのが強いんだと思う。
ーー「blue moon.」が8位に入ったtipToe.は、初めて上位にランクインしたグループです。
宗像:『TIF』(『TOKYO IDOL FESTIVAL』)のオーディション「アザーレコメンドLIVE」で1位になって、去年初出演を果たしたんですよね。ライブも世界観の作り込みとかクオリティが高いし、上位に入って来るのは必然かな。
ガリバー:「一緒に青春しませんか?」をコンセプトに、3年間しか活動できないんですよ。だから、今年初期メンバー3人が卒業なんです。
ーーシステムはさくら学院と一緒ですね。
ガリバー:最初から終わることが決まった上で、全力で走り抜けるとどうなるのかというのをやってみたかったという。新メンバーが加入すると思うので、メンバーが卒業してもグループ自体は続いていきます。曲はセンチメンタルな感じで、青春を想起させる甘酸っぱいサウンド。アイドルネッサンスとかハコイリムスメのファンを取り込んでいったのが2018年ですかね。
岡島:アイドルネッサンスは、「changes」が14位でそんなに高くなかったですもんね。
ガリバー:ルネは2月に解散しちゃって、時間も経ってしまっていたし、メンバー個人のセカンドキャリアも動き出していました。
宗像:原田珠々華さんの「Fifteen」がもう少し上がってきてもよかったんじゃないかなと。
ガリバー:運営の照井(紀臣)さんがメンバー1人ずつを卒業後までしっかり面倒みていたのが印象的です。原田さんはまだ1年目ですし、活動ジャンルをアイドルと限定していないという事もあり、この順位に落ち着いているのかなとも思います。