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『第5回アイドル楽曲大賞2016』アフタートーク(後編)

「コミュニティーに閉じこもる傾向も」論客が語り合う、アイドルシーンの静かなる“停滞”

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乙女新党
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 3年連続となる『アイドル楽曲大賞アフタートーク』座談会の後編。ライターでありイベント主宰のピロスエ氏、コメンテーター登壇者からはアイドル専門ライターの岡島紳士氏、音楽評論家の宗像明将氏、アイドルファン代表のガリバー氏が参加。前編ではメジャーレーベルとインディーズレーベルとのグレーゾーン、2016年における欅坂46の存在などについて触れた。今回公開する後編では、楽曲大賞上位にランクインしたグループやZeppの壁、2017年のアイドル楽曲展望についても言及した。(渡辺彰浩) 

「動員数で言えば、Zeppツアーの壁がある」(岡島)

岡島:「原宿KAWAiiカルチャー」を軸に活動しているアイドルグループが多くいますが、その中でも勢いのあるグループはどこなんですか?

ガリバー:やはり、でんぱ組.incが頂点にいて、次にまねきケチャ、神宿などが続く感じですね。最近では、天晴れ!原宿なんかが勢いある気がします。

岡島:メジャーだとわーすたの「うるとらみらくるくるふぁいなるアルティメットチョコびーむ」が4位で健闘しています。

わーすた / うるとらみらくるくるふぁいなるアルティメットチョコびーむ MUSIC VIDEO Short Ver.

ガリバー:62位の「完全なるアイドル」の方が勝負曲のような気がしていましたけどね。

岡島:4位の曲の方がインパクトはありますし、昨年インディーズの1位になった「いぬねこ。青春真っ盛り」の流れからしたらこっちじゃないですか。

ーーインディーズからメジャーに進んだグループだと、lyrical school、Maison book girlも上位にランクインしています。

ガリバー:リリスクの「RUN and RUN」はMVの印象が強すぎるかな。僕は「サマーファンデーション」の方が好きですけどね。

宗像:「RUN and RUN」はMVの印象にどうしても惑わされてしまうのですが、ブラックミュージック的な要素が強いですよね。

岡島:ブクガは「lost AGE」が12位で最上位なんですね。僕は29位の「karma」に票を入れました。

宗像:インディーズ時代の曲が上にきたのがびっくりです。

岡島:18位の「cloudy irony」は前プロデュースアイドルのいずこねこから続く、ironyシリーズの最新曲ですよね。

宗像:メンバーのコショージメグミに『Quick Japan』で話を聞いた時に、「明るい曲がそろそろあった方がいいと思って、いい曲がきた」と言っていたんです。たしかにちょっと明るい。

RUN and RUN / lyrical school 【MV for Smartphone】
Maison book girl / lost AGE / MV

岡島:BABYMETALの「KARATE」が18位に入ってきているのが面白いですね。そしてももいろクローバーZの楽曲が上位に入ってこないのが楽曲大賞の毎年の傾向です……。

ガリバー:2016年はアルバムを2枚も出していたんですけどね。ももクロの最高位は52位の「マホロバケーション」。これはキャッチーな曲ですね。

岡島:グループ自体が売れたら曲はどうでもよくなる問題があるじゃないですか。別のところに魅力があるのでは。

宗像:アイドル楽曲大賞の上位に食い込むことで「見つかってほしい」と思ってる人が多く投票している傾向もあるのかな。

BABYMETAL – KARATE (OFFICIAL)
【ももクロMV】マホロバケーション / ももいろクローバーZ(MAHOROVACATION / MOMOIRO CLOVER Z )

岡島:清 竜人25は6月末で解散しますけど、このコンセプトでやりきったという感覚はありますね。

宗像:清 竜人25は当初、1年間ぐらいアルバムリリース、ツアーを開催して活動終了のはずが、結局3年間も続くことになったんですよ。

岡島:今後、同じようなことをしても、清 竜人25の真似と言われますからね。とはいえ、そもそもChu!☆Lipsに男性マジシャンがいたことがあったり、FolderやDream5は男女混成だったりと、そんな珍しい構成でもないんですが。

宗像:男性ボーカルと女性コーラスがいるというのは、ソウルグループの古典的な形なんですけどね。そのフォーマットに真っ向から“一夫多妻制”を混ぜるとものすごくおかしなことになるんです。こうしてランキングを見ていっても、意外だというグループがそこまでいないですね。商業的にフィルタリングされているわけで。

清 竜人25「LOVE&WIFE&PEACE♡」MV

ガリバー:並びだったら圧倒的にインディーズの方が面白いですよ。

岡島:なんとなく全体的に停滞感があるのは、AKB48・ももクロ以降ーーエビ中、でんぱ組.inc、BABYMETALといったグループに続いて、48&46系グループ以外に大ブレイクするアイドルが出ていないというのもあるのでは。

宗像:でんぱ組.incは『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)には出演しているけれど、『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)には出ていないとか。どうしても、上がつかえている現状があります。でんぱ組.incを出せと。

岡島:動員数で言えば、Zeppツアーの壁みたいなのがあるんじゃないですか。

ガリバー:神宿がZepp DiverCity(TOKYO)で単独公演を行った際に、全国ツアーを発表していて。そういった前向きなアナウンスは良かったですね。大体のグループが、「Zepp開催やったー!」ということで満足して終わりな状況なので。

宗像:妄想キャリブレーションを手がけていた、利根川貴之をはじめとした音楽プロデューサー&作家チームのWicky.Recordsに神宿や天晴れ!原宿が曲を依頼する流れができて、そういうクリエイターの奪い合いも激しいですね。乙女新党の「雨と涙と乙女とたい焼き」は編曲にヤマモトショウ、rionosが参加していたりと、製作陣のチョイスもすごかったんですよ。クリエイターに目をつける運営陣の目のつけどころも大事だなと思いましたね。

【MV】乙女新党 – 雨と涙と乙女とたい焼き(Short ver.)

ガリバー:もちろんアイドルの運営もしながらになるので、大変ですよね……。

宗像:ヤなことそっとミュートはロックで音もかっこよくて、メンバーのビジュアルもいいですね。

ガリバー:ヤなミューは絶対上位に入ってくると思っていたんですけど、入ってこなかったですね。(最高位は「カナデルハ」で56位)

宗像:曲単位でグッとこなかったんですかね。レッツポコポコとかも入ってこないですかね。80年代歌謡みたいでいいんですよ。

ヤなことそっとミュート 「カナデルハ」 2016.10.20 新宿ロフト
【MV】レッツポコポコ / 『魔法の「カギカッコ」』(official music video)

ーー元々のファン数が少ないというのもあるのではないでしょうか。

宗像:そのファンが決起すればいいんですよ。あとは、アガる曲じゃないと上位にこないのかな。「サイレントマジョリティー」がアガる曲なのかと言われれば謎ですけど。

ガリバー:超アガるじゃないですか!

宗像:「サイレントマジョリティー」も「オーケストラ」も歌詞がいいですね。ちゃんと曲を作んないとダメなんですよ。

BiSH / オーケストラ[Less Than SEX TOUR FiNAL“帝王切開”日比谷野外大音楽堂]

      

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