長濱ねる&織田奈那、欅坂46のバラエティ班としての重要性 『オールナイトニッポン』を聞いて

 欅坂46(以下、漢字欅)の長濱ねるが単独でパーソナリティーを担当したラジオ『欅坂46のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)が、12月12日に放送された。長濱のフリートークの面白さと意外なキーワードの数々は、改めてラジオDJとしてのポテンシャルの高さを感じさせる。そしてパートナーを務めた織田奈那とのトークの相性も良く、漢字欅関連で今年ベスト級の面白い放送となっていた印象だ。そんな長濱と織田の2人は今年、漢字欅の中でも大活躍したメンバーと言え、それぞれ地元の大使に就任したり、ドラマや短編映画で主演を務めたり、『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)に2人で出演したりなど、タレントとして飛躍した1年だったように思う。

『アンビバレント』初回仕様限定盤(TYPE-C)

 今年20歳になった長濱の活躍はめざましく、地元の長崎で開催された『長崎ランタンフェスティバル』のメインイベント“皇帝パレード”で皇后役として出演し、長崎市観光大使に就任。7月にはドラマ『七夕さよなら、またいつか』(日本テレビ系)で単独初主演を果たし、8月には2週に渡り生放送された初の冠番組『ねるねちけいONLINE!』(NHK総合)で司会に挑戦。ほか『AGAヘアクリニック』のCMに単独で出演したり、読書好きゆえに本関係のインタビューが増えたりなど、漢字欅以外での大きな仕事にも挑み、アイドルだけでなくタレントとしての“長濱ねる”の存在価値も確立した1年だった。

 アーティストとしては、3月にリリースされたAKB48の51枚目のシングル『ジャーバージャ』(Type E)に収録された、坂道AKBの「国境のない時代」でセンターを務めたこと。SKE48の松井珠理奈、HKT48の宮脇咲良、乃木坂46の齋藤飛鳥・堀未央奈がフロントメンバーとして脇を固めるという超選抜チームの中でのセンター抜擢は、今年のアイドル界の顔に選ばれたと言っても過言ではない。キャラが濃い洗練されたメンバーの中で、他とは違う柔和な愛らしさが目を惹いた。

 そして長濱をより知ることができたのが、6月にリリースされたけやき坂46(以下、ひらがなけやき)の1stアルバム『走り出す瞬間』(Type-B)に付属された『ひらがな全国ツアー2017 Live & Documentary』。ひらがなけやきの歴史=ひらがな創立者である長濱の生い立ちであり、“長濱ねるとはいったい何者なのか”ということを改めて知ることができた。ひらがなけやきの一つの完成形を見せた武道館公演で、創立者の長濱がいないというのも実にドラマチックな展開で、いないからこそ彼女の存在がさらに神格化されたとも言える。そんな長濱は、自身のソロ曲「100年待てば」が今でもひらがなけやきで受け継がれていたり、ラジオ番組などでひらがなけやきの名前をよく口にしたりと、今でも漢字欅とひらがなけやきを繋ぐ橋の役目を果たしている。7月7日にドラマの連動企画として『けやき坂46 七夕SPゲスト長濱ねる ~一夜限りの再会~』を開催したことも印象的だった。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる