香取慎吾が仮装やファッションを通して教えてくれる、“アート”で日常を変化させる楽しさ
きっと彼にとって、表現(=仕事)と生きることが、あまりにも密着していたのだろう。“アートを始めよう”と意識することなく、寄せられる期待と自分が何を魅せられるかを考え続けてきた結果、香取慎吾というアーティストに“なって”いた。その流れはあまりにも自然で、近年環境が大きく変わったことをきっかけに、彼の才能が因数分解されたに過ぎない。彼が最近の仕事を「遊び場」という言葉で表している点を見ても、香取にとって表現することは、オンともオフとも言い切れない“楽しいこと”と感じているのがわかる。だからこそ、“仮装する慎吾ちゃん”という作品を見る、私たちにもその“楽しい”が伝播するのだろう。
8月25日、香取が愛してやまなかったファッションというジャンルで、新たな遊び場となるPPP SHOP(PERMANENT POP-UP SHOP)『JANTJE_ONTEMBAAR(ヤンチェオンテンバール)』が帝国ホテルプラザ1Fにオープンした。彼が描いた絵や撮影した写真を生地にしたアイテムも並ぶという。「けっこう、僕はファンのことを考えちゃったかな。やっぱり自分が何かするってなったら、それを喜んでくれたり、応援してくれるのが嬉しい。その人たちは、きっと僕と同じだけファッションが好きなわけじゃないけど、僕が祐さんとブランドやお店を始めるなら、興味を持ってもらいたい」と先のインタビューで、服作りへの想いを明かした。ファッションには、新たな自分を引き出す魔法がある。それは香取の仮装にも近い、日常の中の変身気分。香取の愛がこもった服をまとえば、いつもよりヤンチャでオテンバな自分を見つけられるのではないだろうか。“ときには、ちょっと違う自分に着替えて、人生を楽しんじゃおう”そんな刺激をくれるスポットになりそうだ。
(文=佐藤結衣)