SNSで“トレンド”を生み出す秘訣とは? あさぎーにょ、KID CROW、ドアノブロックが語る

『Feat.』ファイナリスト インタビュー(前編)

 ソニー・ミュージックエンタテインメント主催のオーディション『Feat.ソニーミュージックオーディション』ファイナリストが決定した。

 Feat.ソニーミュージックオーディション』は、音楽トレンドに新風を吹かせるアーティストを募集したオーディション企画。ファイナリストには、ソニーミュージックがトレンド作成に必要な予算、スタッフ、インフラ、ワークショップをバックアップ、音楽トレンドランキングのグランプリを目指していく。

 今回ファイナリストに選ばれたのは、あさぎーにょ、KID CROW、SUKISHA、ドアノブロック、葉山柚子、夜中出社集団(五十音順)の計6組。ファイナリストたちに密着したリアリティショー『Feat.ソニーミュージックオーディション』のオンエアもGYAO!と音楽チャンネル・MUSIC ON! TV(エムオン!)でスタートしている。

 リアルサウンドでは、ファイナリスト6組のインタビューを2回に分けて掲載。本稿では、あさぎーにょ、KID CROW、ドアノブロックの3名にSNS上でバズを起こし“トレンド”を生み出すための戦略をはじめ、アーティスト活動を始めたきっかけ、オーディションを勝ち抜くための秘策になどついて話を聞いた。(編集部)

あさぎーにょ「強みは“ぶっ飛んだことができる勇気”」

 YouTubeの個人チャンネルで23万人のチャンネル登録者数を誇るクリエイティブアーティスト・あさぎーにょ。“へんてこポップ”をテーマに楽曲や映像制作を行うほか、モデル、タレント、プロデューサー、イラスト制作に至るまで幅広いアーティスト活動を展開。自身で映像編集を行う“歌ってみた動画”をはじめ、オリジナルソングでお菓子をPRする「勝手にCM作ってみた」シリーズ、最近ではボーイズバンド・noovyとフィーチャリングしてMVを制作するなど、その独自の世界観で着実に知名度を高めている。

あさぎーにょ

ーーあさぎーにょさんがアーティストとして活動を始めた経緯を教えてください。

あさぎーにょ:高校卒業後に大学へ進学したものの、一年で中退して19歳の時に上京したんです。そこから路上やライブハウスで音楽活動を始めたのが始まりですね。在学中はずっと自分のやりたいことをやれていない感覚があって、それで時間だけが過ぎていくのが耐えられなくなったんですよね。

ーーYouTubeで活動を始めたのもその頃からですか?

あさぎーにょ:YouTubeで活動を始めたのは2年前くらいです。最初は音楽を届けるツールとしてYouTubeを活用していたのですが、ある時に自分がやりたいのは歌うことではなく、音楽を媒介して何かを伝えること、発信することだと気がついたんですよね。当時は歌=歌手みたいな印象が強くて、CDを出したり、ライブすることがすべてだと思い込んでいたんです。でも、YouTubeで世界が開けたというか。そこから映像の編集を独学で勉強して、音楽+αの動画だったり、ビデオブログみたいなものも作るようになって。今はクリエイティブアーティストという肩書きで、日々コンテンツ制作を続けている感じです。

ーーこのオーディションを受けたきっかけは?

あさぎーにょ:常にもっとスケールの大きなことをしたいと考えていたので、このオーディションがそのきっかけになれば、と。やっぱり自分だけの力だと限界もありますし、様々な人と関わり合っていくことで、今まで誰も作ったことのないものができると思いました。やっぱりいつも見てくれている人が持つ私のイメージを覆すものを作りたいですし、常に進化していくつもりで活動してきたので、みんなの期待をいい意味で裏切るものを作りたいなって。

ーーやはりトレンドを作る上では驚きが大事ですよね。

あさぎーにょ:そうですね。ただ、バズは狙って簡単に生み出せる訳じゃないと思うので難しいところではあります。でもファンの方と一緒に進んでいることが私の強みだとも感じていて。たとえばTwitterやYouTubeのコメントなどでファンの方とコミュニケーションをとることで、みんな私のチャレンジを応援してくれるし、出来上がったものを喜んでくれる。そういう人たちが私の動画を広めてくれることもあります。今のYouTubeの登録者数も、そうやって少しずつ増えていった結果だと思うので。

【勝手にCM作ってみた】アーモンドチョコの歌

ーーこれまでお菓子をテーマにした動画や歌ってみた動画など、様々なコンテンツを制作していますが、なにか発想のルーツはありますか?

あさぎーにょ:私は全部独学だし、ルーツは特に思いあたるものはありません。しいて私の強みをあげるとしたら、ぶっ飛んだことができる勇気を持っていること。これをやったらヤバイやつって思われるだろうなってことも躊躇なくできます(笑)。やっぱり初めてのことは不安もあるし、周りからどう思われるのかなって考えたりもするけど、そこを含めて楽しいんです。自分のワクワクを一番大事にしたいし、恥ずかしさでそれを無いものにするのはもったいないですよね。そんな私を見て、みんなもワクワクしてくれる状況が理想だと思っています。

ーーYouTuberの動画はどれを見ても思い切りがいいですよね。

あさぎーにょ:やっぱり、やりたいと思ったことを実現する行動力は大事で。たぶんYouTuberやインスタグラマーになりたい人も増えてると思うんです。でも、恥ずかしさとか、クオリティを気にして足踏みしている人も多いと思っていて。でも失敗して進むのが大事なんですよ。とりあえずはアウトプットですね。iPhoneひとつあればできることなので、まず発信することで一歩が踏み出せますよ。

ーー今ではYouTube以外にも様々な映像配信プラットフォームが生まれています。あさぎーにょさんは、そういう状況をどう見ていますか?

あさぎーにょ:単純にすごいうれしいです! Tik TokもIGTVも新しい発信の仕方だと思いますし、私としてもYouTubeだけで収まりたいわけではないので、いろんなプラットフォームであさぎーにょの世界を確立したいです。Tik Tokではオリジナル曲を楽曲提供させて頂いているんですけど、すごく面白くて。みんなが真似しやすい映像って、遊べる音楽ってどんなのだろうって考えるのは自分の中でも新しかったですね。

ーー今回グランプリを獲得するためにどんなものを作るつもりですか?

あさぎーにょ:新曲のMVに登場するパジャマを販売するんですけど、アイテムにQRコードを付けて音楽も聴ける仕様になっているんです。たまにCDが欲しいと視聴者の方から言われるのですが、私はCDを出す気持ちはあまりないし、配信するだけなのも面白くないなと思っていて。そもそも私はCDを再生する機械すら持っていないですし。それなら、私は可愛いアイテムに音楽もつけちゃおう、と。それが私らしいし、ファンの人たちも喜んでくれるかなって。あと、この施策を私のファンの方以外のもっと沢山の人に知ってもらいたいと思い記者会見を開きました。普通の記者会見ではない前代未聞の記者会見を開きたくて。テレビや新聞だけではなく今の時代は個人個人が発信力やメディアを持っている時代なので様々な媒体で活躍するインフルエンサーさんを記者として募集しました。そして私の活動に興味を持ってくださった方が約100名集まってくださり、それぞれのメディアで今回の施策を発信して頂きました。

ーーたしかに拡散力は高そうですね。では、最後にグランプリを獲得したあとのビジョンを教えてください。

あさぎーにょ:そうですね……テクノロジーにもすごい興味があるので、VFXやCGを使った動画を作りたいです。でも、単純にテクノロジーが先行するようなものではなくて、テクノロジーを絡めることでよりコンテンツがかわいくなったり、面白くなったりするもの……そういうものを作るのが今の夢です。

■あさぎーにょ 関連リンク
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