SNSで“トレンド”を生み出す秘訣とは? あさぎーにょ、KID CROW、ドアノブロックが語る

『Feat.』ファイナリスト インタビュー(前編)

ドアノブロック「衝撃がトレンドに繋がる」

 ドアノブロックは、セックスフラペチーノ(Vo)、クソメヤ(Gt)、スズキ(Gt)、キューティクル♡リカ(Ba)、ファンタス☆ジュン(Dr)の5人からなるロックバンド。2013年に高校の軽音部で結成され、“-愉快犯バンド-「世界、ドン引き。」”をコンセプトに活動。2017年に行われたオーディション『RO JACK for COUNTDOWN JAPAN 17/18』の優勝アーティストに選ばれ、ロックフェス『COUNTDOWN JAPAN 17/18』のステージでパフォーマンスを行い注目を集めた。

【左から】スズキ、キューティクル☆リカ、セックスフラペチーノ、クソメヤ、ファンタス☆ジュン

ーーまずはバンドを結成した経緯から教えてください。

セックスフラペチーノ(以下、セクフラ):メンバー全員が高校の同級生なんですけど、軽音部で知り合ったのがきっかけで、まぁ色々あってなんとなくこのバンドができました。

クソメヤ:ちゃんと説明すると、それぞれバンドを組んでいたんですけど解散しちゃって。高校1年の文化祭で今のメンバーでライブすることがあって、そこで落ち着きましたね。受験期間で休んでいた時期もありましたが、もう少しで5年経ちます。

ーー“愉快犯バンド”という肩書きがありますが、このコンセプトは結成当初から決まっていた?

セクフラ:コンセプトって誰が考えたの?

クソメヤ:セクフラが高校時代から面白いやつだったんで、彼女を主体にしたバンドができたら面白いなって考えてきたんですけど……。

セクフラ:これ(頭の結束バンド)つけると頭おかしくなりそう(笑)。

クソメヤ:じゃあ一回外そうか。で、バンドのコンセプトは?

セクフラ:高校生の時、私は周りからドン引きされるのが快感だって気づいたんです。

「プラスチック隕石」LIVE/ドアノブロック

ーーというと?

セクフラ:たとえば、友達のバンドが練習している場所に乱入して、マイクを奪ってひっちゃかめっちゃかにしたり、バラードを練習してるのにデスボ(デスボイス)で邪魔するみたいな。そうすると当然みんなウザい顔するんですよね。でも同時に面白がってもくれて。それが楽しくて続けてたら、クソメヤがそういう曲を作ろうって声を掛けてきたんです。

クソメヤ:一緒にやろうと決めた時に「プラスチック隕石」のもととなるような曲を作ったんですけど、そのまま披露してもセクフラのいつもの面白さがステージ上で活かされないなと思って。その時にデスボで邪魔するみたいな行動を見て、これを曲に入れたら面白いんじゃないかって。曲としてもインパクトがあったし、みんなが驚くようなものができたなっていう手応えもあった。そこからバンドのスタイルも徐々に今の形に固まってきたというか。

セクフラ:それで「世界、ドン引き。」-愉快犯バンド-です。

ーーちなみに、メンバーから見てセックスフラペチーノさんの印象はどうですか?

ファンタス☆ジュン:僕は面白いなーとしか思いませんね。でも、彼女とバンドを組むことになって、普通の人生を送るよりも、こっちの方が絶対楽しいとは直感しました。それに、本当にヤバすぎてついていけないってほどでもないですし、逆にセクフラが気持ち悪いことをやればやるほど面白いですね。

スズキ:意外と普通なんだよね(笑)。最初からそんなキャラだった?

セクフラ:最初は隠してたんだよね。もともとはこんな感じ。

スズキ:まぁ最初は関わり合いたくないなって思ってたんですけど、話したら普通に面白くて。普段そんなにヤバイやつではないんですけど、ステージの上やこういう場所に来るとイキっちゃうんですよね。でも、やっぱりバンドの顔なんで。セクフラが面白く見えるように僕らも立ち回っていけたらなって。

キューティクル♡リカ:自分では考えられないようなことをやるのにはいつも驚かされますね。

セクフラ:めっちゃ適当じゃん(笑)。

ーーオーディション『RO JACK for COUNTDOWN JAPAN 17/18』で優勝したタイミングは反響が大きかったのでは?

クソメヤ:そんなにあったかな……でも一番おいしかったところをカットされちゃったんですよ。

セクフラ:『RO JACK』で優勝して『COUNTDOWN JAPAN 17/18』に出演することが決まった時に、なにかやらなくちゃっていう使命感に駆られたんですよ。それで演奏の途中、ステージ上で上半身裸になって歌ったら、スタッフさん含め周りからドン引きされちゃって(笑)。本当はYouTubeにライブ映像がすべて上がるはずだったんですが、私が脱いでるところだけは全部カットされました。

クソメヤ:でもただ上裸になるのではなくて、胸の部分はキャンディーで隠してたんですよ。あの時にセクフラがやりたいことというか、ポップで可愛くてエロっていう世界観を体現できたと思ったんですけどね。

ーーみなさんは知っていたんですか?

セクフラ:最初から脱ごうと決めていました! 私の中では計画的な犯行で。

クソメヤ:僕たちは全然知らなかったんですよ。でも、名前を知ってもらえるきっかけになったかもしれないし、バンドとしても箔がついたというか。「どうせなら出禁になってやる」くらいの勢いで臨んだステージだったので。初出場にして出禁ってなんか面白いですし。

ーーおそらく当時はSNS上で盛り上がっていたでしょうね。そういうセンセーショナルなパフォーマンスのほか、SNSなどで話題を作る時に意識していることはありますか?

クソメヤ:僕らって再始動してから本格的に活動を始めたのが1年くらい前で。休止期間中はSNSをうまく活用する方法をめちゃくちゃ考えましたね。YouTubeで毎日動画をアップしてみたり、セックスフラペチーノの写真を持ちながら全身白タイツの格好でハチ公前で踊る動画を配信したこともありました。そういう動画をコツコツ配信していたら高校生ぐらいの年代の間で少し認知されるような状況にもなって。ノウハウではないですが、その時に得たマインドはこれからも大切にしたいです……ってすごい真面目になっちゃった。

ーーたしかにSNSとの相性はいいかもしれませんね。今回オーディションを受けたのも、そういう強みを踏まえた上で?

クソメヤ:いや、ファイナリストに残るまで、全然オーディションの内容も知らなかったんですよ。

セクフラ:私の務めているライブハウスにオーディションのチラシがあって。中身を読んでも理解できなかったので、とりあえず応募してみました。

ーーちなみに、今はオーディションの内容を理解した上で作戦も立てているんですか?

キューティクル♡リカ:最初は周りにどうやったら負けないか考えていました。でも、結局は自分たちがやりたいこと、面白いと思えるものをやったほうが良いって結論になって。

クソメヤ:愉快犯というコンセプトに則ったことがしたいんですよ。僕らはバンドなんですけど、エンターテイナー集団でもあると思っていて。MVで宇宙人100体を引き連れて海辺を歩くとか、誰もやりそうもないことをやってインパクトを残したいですね。やっぱり驚きが大事だと思うので。

セクフラ:あと、オバケ屋敷を作ってライブするとか、銭湯でライブするとか、普通ならライブをやらない場所でライブをやりたいなって考えてます。

ーー普段、そういう案を考えるのは誰の役目ですか?

セクフラ:基本的には私ですね。ほかのメンバーはだらけてることも多くて、一番最初にちゃんとやろうって声を掛けるのは意外と私なんですよ。それでみんなで案を考え始めて、でもみんなからなにも出てこなかった時に、パッと閃くことが多いです。

クソメヤ:あとは、やっぱり音楽が中心にあるので、楽曲から宇宙人や妖怪みたいなイメージを膨らますことが多いです。

ドアノブロック-「ドスケベ団地妻」MUSIC VIDEO

ーー作詞と作曲は、セックスフラペチーノさんとクソメヤさんが担当ですよね。

セクフラ:良い詩を書くんですよね、私。小学生の頃から詩を書き溜めていて。題材は映画やドラマから決めることもあるんですけど、言葉遊びも好きで。このリズムと言葉を合わせたら面白いし、歌いやすいみたいな遊びにハマっていて。でも、ちょっと前に「この歌詞に誰が心を動かされるの?」と言われてしまって、一時期歌詞が全然書けなくなっちゃって。人の心を動かすことを意識すると、クサいというか、気持ち悪い感じになっちゃって。

クソメヤ:ちょうど1年前くらいの話ですね。

セクフラ:でも、あんまりまわりから言われたことを気にしてもしかたないなと、今はもう復活しました。

ーーなにかを伝える、という意識はない?

セクフラ:誰かになにかを伝えたいとは思いますが、それがメインではないです。伝わる人に伝わればいいなくらいな感じで。

クソメヤ:やっぱりセクフラは歌詞が面白いんですよね。だから僕はセクフラの歌詞から想像して曲を作りたいんです。その言葉に一番マッチするリズムとメロディを見つけたいというか。言葉が一つの楽器みたいになっているので、そこを意識して曲は作るようにしています。

ーーなるほど。オーディションに話を戻しますが、今意識しているファイナリストはいますか?

全員:いないです。

ーーそう思いました。では、トレンドを作る上で大事なものはなんだと思いますか?

セクフラ:トレンドってなんなのかわかんない! ファッション?

クソメヤ:はいはい。やっぱりバンドのテーマでもある衝撃が、結局はトレンドに繋がっていくものかなって。既存のもの、既視感のあるものを作ってもトレンドにはならないし、意味ないと思うんですよね。僕が感動するのは、そのバンドにしか出せない音楽で。そういう音楽を作れるバンドになりたいです。

ーー最後にグランプリの賞金はなにに使いますか?

セクフラ:とりあえず、全額飲みに使いたいと思います!

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(取材・文=泉夏音)

■番組概要
『Feat.ソニーミュージックオーディション』
GYAO!  毎週金曜日配信
MUSIC ON! TV(エムオン!)毎週木曜日放送
※MUSIC ON! TV(エムオン!)は一週遅れての放送。
出演者:平井“ファラオ”光(馬鹿よ貴方は)、池田美優

番組視聴/オーディション特設ページはこちら

■関連リンク
Feat. ソニーミュージックオーディション公式HP
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