アーティストを“再現”するステージは増えるか? 『ハーフタイムショー』プリンスの例を機に考察

アーティストを“再現”する魅力

 『第52回スーパーボウル』ハーフタイムショーで現地時間2月4日、ジャスティン・ティンバーレイクがパフォーマンスを行った。今回の『スーパーボウル』がミネソタ州ミネアポリスのUSバンク・スタジアムで開催されることを受け、同州出身プリンスの「I Would Die 4 U」を披露し、リスペクトの意を示したジャスティン。その際、バックに巨大なプリンスの映像を投影し、「I Would Die 4 U」を一緒に歌うという演出を行った。実はこのパフォーマンスには、プリンスが生前ホログラムを使ってほしくないと明言していたことを受け、シーラ・Eらとの話し合いの結果、直前にホログラムを使用しないパフォーマンスを行うことになったという経緯があった。

Justin Timberlake’s FULL Pepsi Super Bowl LII Halftime Show! | NFL Highlights

 今回のパフォーマンスではホログラムは使われなかったが、こうした大物アーティストや故人をテクノロジーを用いて再現する動きは珍しくない。そこで、海外の動向に詳しいジェイ・コウガミ氏に話を聞いた。

「ホログラムを使って亡くなった方やキャリアのあるアーティストの若い頃を再現するライブは、この1、2年で非常に増えたように思います。以前の2パックやマイケル・ジャクソンのホログラムなどでは主にCGを使っていましたが、近年はアーティスト本人や、ボディダブル(代役)をモーションキャプチャで撮影しています。実際の演奏やステージパフォーマンスの映像に、後から顔や衣装をCGで組み合わせていく、映画などで使われている技術を用いているんです。先日公開された、ツアー活動から引退を発表したエルトン・ジョンによるVR映像にも同じ技法が使われていました」

Elton John - Farewell Yellow Brick Road: The Legacy (VR360)

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