ME:I、King & Prince、平手友梨奈、新しい学校のリーダーズ、Aile The Shota、ONE OR EIGHT……注目新譜6作をレビュー
New Releases In Focus
毎週発表される新譜の中から注目作品をレビューしていく連載「New Releases In Focus」。今回はME:I「MUSE」、King & Prince「Usual Kiss」、平手友梨奈「イニミニマイニモ」、新しい学校のリーダーズ「One Heart」、Aile The Shota「SAKURA」、ONE OR EIGHT「DSTM」の6作品をピックアップした。(編集部)
ME:I「MUSE」
最新シングルの表題曲。90年代のヒップホップとストリートカルチャー、さらにはシティポップやダンスミュージックなどを再編纂したポップソングで、作曲は韓国、スウェーデンなど多国籍クリエイターチーム、作詞はソングライターのYui Muginoによるもの。若者たちにはレトロっぽさがクール、中高年にとっては懐かしいのに古臭くない、つまりは二世代同時に刺さりそうな仕上がりとなった。リスナーのハートを直撃するファッショナブルなMVも総じて90年代推し。二つ折りのデコレーション携帯、ファッション誌にCDなど、懐かしのアイテムが多数登場している。今もタワーレコードが残っている都市、“TOKYO”をレップする映像として見るのも面白い。(石井)
King & Prince「Usual Kiss」
最新シングル『HEART』より。表題曲は爽やかで奥ゆかしい青少年のラブソングといった趣だが、だからこそ、カップリング曲「Usual Kiss」の落差がすごい。Funk Uchinoが手がけるのは焦らしに焦らすムーディなR&Bで、気怠い吐息やシルキーなファルセットを多用する二人の歌唱も完全にアダルト仕様。〈ルームランタンのShadow〉や〈リキュールの味〉といった小道具だけでなく、〈“長すぎぬキス“ むしろそれが拍車かけて〉など、具体的かつ扇情的な歌詞に身悶えするファンが多いのでは。新体制になって以降は王道アイドルソングを意識的に踏襲してきた楽曲も多かった印象があるが、この曲は最高のスパイス。King & Princeのイメージを鮮やかに更新する一曲だ。(石井)
平手友梨奈「イニミニマイニモ」
パーカッシブなビート、うねりまくるベースラインが絡み合うトラック、そして、挑発的かつ官能的なボーカル。「ALL I WANT」に続く2025年第一弾楽曲「イニミニマイニモ」は、身体と気持ちをガッツリ揺らしてくれる極上のダンストラックだ。エキゾチズムとドープな手触りを併せ持ったサウンドメイクも素晴らしいが、注目すべきはやはり平手のボーカル。低音域〜中音域をしっかり活かしながら、強気で大胆な女性像を生々しく描き出す歌声は、明らかに彼女の新機軸と言えるだろう。英語の慣用句〈Eeny, Meeny, Miny, Moe(どちらにしようかな)を「鬼さんこちら」的なイントネーションで発生する和洋折衷な表現もユニーク。音楽フェス『JAPAN JAM 2025』への出演も決定し、ソロとしての本格的なアクションがついに始まりそうだ。(森)