『R-Festa Next』に見た、新世代のHIPHOP/RAPとポップスカルチャーの接点

『R-Festa Next』第2回レポート

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 そしてこの日、一番会場を盛り上げたのはやはり、SUSHI BOYS/HIYADAM/JP THE WAVYといったシーンのニューヒーローであり、TRAPや先端的音楽性を表現の基礎に置く三者だった。特にJP THE WAVYが最後に披露した今年を代表する一曲「Cho Wavy De Gomenne」は、この曲を待ちわびたオーディエンスの動きで、会場の熱気が一気に高まる程だった。それに続くDOS MONOSの、そういった流行性とは距離を置いた独特のサウンドとパフォーマンスも、またオリジナル。

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 『BAZOOKA!!高校生ラップ選手権』という、現在のフリースタイルブームの先鞭を付けたコンテンツで大きな注目を集めたRude-αが、バンドセットという音楽的に新たなアプローチを展開したのも印象的だった。そして彼と同じく沖縄出身のシシノオドシも1MC1ドラマーという独特のスタイルで魅せたが、両者とも青春パンク的な印象を内容性やパフォーマンスに感じさせ、彼らと同世代やその下のリスナーを鼓舞するような作品構成からも、ラップというアプローチをどう取り扱い、誰に向けようとしているのか、という部分でも非常に印象に残った。

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 安定感という意味では、ポップなレゲエを聴かせたMACK JACK、そしてスペシャル・ゲストのサイプレス上野とロベルト吉野に軍配を上げよう。サ上とロ吉、そしてDJで登場したZEN-LA-ROCKがこの日のアクトの中では最もベテランだったが、彼らのように世代的に90年代のヒップホップ/日本語ラップの隆盛に最も強い影響を受けながら、同時に彼らの根本的な独特の性向によって、所謂「ベタな日本語ラップ像」的なアプローチをそのままなぞることはせず、同時に「J-POP的なラップの波」や「サグなヒップホップ」という00年代的なヒップホップの流行的潮流にも、彼らは「そのまま」乗ることはなかった。しかしそれ故に彼らは独自の路線を開拓し、現在においてもワン・アンド・オンリーな存在になっている。その意味でも、彼らは今回登場したアーティストたちが見せた多様性や独自性という筋道への、先鞭を付けた存在であり、ここに登場する意味がそこにはあった。

 アーティストの持ち時間はそれぞれ10~15分とショーケース的な構成だったこともあり、楽曲ごとの解説にはこの稿で至らなかった事は容赦願いたい。しかし所謂ヒップホップ保守本流ではないが、ヒップホップやラップとポップス、サブカルチャーとの接着面を、現在はどういったアーティストたちが担っているのかを感じさせる、非常に意義深いイベントであった。この日登場したアーティストが、今後どのような道を進むのか、あまりにも興味深い。

 (文=高木 "JET" 晋一郎)

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