CHEERZ×KKBOX×TuneCoreが目指す“アイドル楽曲との接点作り” 多様化するシーンとサービスはどう結びつく?

CHEERZ×KKBOX×TuneCore、3社特別インタビュー

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「アイドルの交換留学みたいなことも考えてます」(伊藤)

──現在、日本の音楽を海外に輸出する場合、洋楽志向のバンド、もしくはアニメカルチャーとの接続を意識したアーティストの2強だと思いますが、そこにアイドルが介入していく可能性についてどうお考えですか。

山本:楽器や機材が必要なバンドに比べると、物理的にアイドルの方々は移動も楽です。そういった人たちが、他国でカルチャーを作っていくことを応援できればと。僕らの本業はあくまで音楽配信サービスです。でも国内だけでなくアジアグローバルで展開ができます。 アジアグローバルで活動をするアーティストをKKBOXでサポートできることは、まだまだたくさんあると思います。その上でもアイドルの方や、インディペンデントで活動している人が、もっとグローバルサイズでの音楽配信に目を向けて欲しいですね。

──継続させるための地盤作りになるわけですね。

山本:そうですね。僕らのプロジェクトとしても、そこを一番応援していきたいと思っています。今後の音楽業界として、海外は一つのフィールドですからね。それをスタンダードにしていきたいですね。

伊藤:海外の人たちからすると、アイドルと言われてAKB48は出てくるんですけど、ほかの選択肢があまりなくて。そうすると、2番手、3番手くらいに海外進出したアイドルの人気が出る。海外の人の中での“メジャー”が変わってくるんですよ。海外に攻めてないアイドルが多い中で行って認知されると、もうそこの土地はそういうものになっちゃうので。台湾はアイドルが行くと、ファンが空港で待っているレベルになっていますね。

──CHEERZとしては海外でのイベント回数は増やしていきたいということは考えているのでしょうか。

伊藤:シンガポールやベトナム辺りには今年中に現地調査して、来年には本人たちを海外に連れて行こうと考えています。最近、海外のイベンターの方とお話していると、最近では日本カルチャーの中でもアイドル需要がすごいという話を聞きます。そのイベンターさんは以前のビジュアル系ロックバンドのブームの時から活躍されていて、当時、ビジュアル系が流行った時って、日本のビジュアル系ロックバンドというだけで「ギャーッ!」という感じだったらしいんですよ。その状況が今アイドルで起こっているのになぜ行かないんだということを言われました。

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CHEERZ 伊藤崇行

──KKBOXは、香港や台湾に強いですが、逆に現地でアイドルとして活動しているグループを日本に輸入するということは考えていたりするのでしょうか。

伊藤:現地でアイドルとして活動してる子たちと、日本のアイドルの子たちの交換留学みたいなことも考えていたりします。現地では、日本のアイドルの曲をカバーしてる子たちもたくさんいるので。向こうでコンテストをやって、日本のアイドルをゲストに呼んでもいいでしょうし、逆に現地の子を日本に連れてきて一緒にライブを行うでもいいですし。その辺りは一緒にできたらいいですよね。

山本:台湾のアイドルはクオリティも高いですし面白いですよ。日本のアイドルシーンを見て頑張ろうとしてる子たちも多いから、すごく新鮮なんです。

野田:向こうも変わってきましたよね。台湾=露出が高い子たちみたいなイメージでしたけど、日本のアイドルカルチャーが入ってきて、どんどん日本のアイドルに近づいてきました。

山本:台湾はアイドルだけじゃなくて、ロックやオーガニック系のアーティストも多様化していてすごい面白いですよ。フェスもいろんな形で増えてきていますし。その中でアイドルに関しても、台湾独自の進化をしているのではないでしょうか。

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(取材=中村拓海/構成=渡辺彰浩/写真=はぎひさこ)

アイドル応援アプリ「CHEERZ」
アイドルは新しいファンや活躍する場所を得ることができ、ユーザーはアイドルを応援することで、有名になっていくアイドル応援アプリ。800名以上のアイドルが参加中。

KKBOX
「KKBOX」は、日本をはじめアジア6カ国で展開するアジア最大の定額制音楽配信サービス。2013年6月の日本でのサービスローンチ以降500以上のレーベルが参加し、マルチデバイスで国内では2,000万曲以上の多彩なジャンルの楽曲を聴き放題で楽しむことができる。また、4,000曲をキャッシュ(一時保存)できるので通信環境を気にすることなく楽曲再生が可能。さらに、ユーザーから投稿された歌詞が楽曲に合わせて動く「動く歌詞」サービス好評だ。加えて、離れたユーザー同士でリアルタイムに同じ楽曲を聴きながらチャットを楽しむことができるソーシャルコミュニケーション機能「Listen with(一緒に聴く)」が注目されており、現在、1ヶ月無料で利用できる。

TuneCore Japan
自分で作った楽曲を、利用者であれば、誰でも世界中(120ヶ国以上)の配信ストアで販売できる、米大手音楽配信ディストリビューション『TuneCore』の日本版サービス。2012年10月より、日本でのサービスを開始し、2016年5月にアーティスト還元額が6億円を突破。国内外問わず、アーティストが楽曲販売可能な音楽配信ストアを追加し、積極的に事業展開をしている。

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