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宇多田ヒカルの新作『Fantôme』はハイレゾでどう聴こえる? 先行試聴会を詳細レポート

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 都内某所で9月25日、宇多田ヒカルが同月28日に発売開始するアルバム『Fantôme』の全曲ハイレゾ先行試聴会が実施された。

 同試聴会は、音楽配信サイト『レコチョク』にて、リリースに先駆けて配信されていた「道」「二時間だけのバカンス featuring 椎名林檎」のハイレゾ音源購入者より、抽選で選ばれた15組30名のみが全国より招待されたプレミアムなイベントだ。当日はアルバムの発売を待ちきれない招待者で会場は賑わい、試聴会開始前の待ち時間には、作品の内容を予想し合う風景も散見された。また、試聴会終了後には、それぞれがアルバムの感想を嬉々とした表情で口々に語り合い、いかにこの作品が充実したものだったのかをダイレクトな反応で伺うこともできた。では、『Fantôme』の楽曲をハイレゾで試聴することで、どのようなポイントが際立って見えてきたのか、その詳細をレポートしたい。

 会場ではプリメインアンプにA-9000R、スピーカーはD-412EX、スピーカースタンドにAS-12EXをそれぞれ使用。アルバムからは「道」から「桜流し」までの全11曲が順番通りに流された。『Fantôme』はオーケストラによる生演奏がたっぷりと収録されており、ハイレゾ版ではボーカルの細やかな息遣いに加え、各楽器の繊細な音色や動きまでを楽しむことができた。以下は各楽曲についてのレポートだ。

1.道

 アルバムの頭を飾る同曲は、どこかMajor Lazer & DJ Snakeの「Lean On (feat. MØ)」を連想させるシンセのサウンドから始まり、今作が世界標準の現行ポップ・ミュージックとリンクしたものだと思い知らされる。この曲では宇多田の特徴ともいうべき自身の声を重ね合わせたコーラスワークがBメロ〜サビにかけて存分に発揮されており、ハイレゾ版ではその細やかな声のプログラミングを聴き分けることができた。

2.俺の彼女

 楽曲冒頭のヘビーなコントラバスとボーカルが、ANOHNIの最新作『Hopelessness』にも似た質感でドローン〜アンビエント的な雰囲気を作り出したかと思えば、Bメロ以降はジャジーな鍵盤の旋律に合わせ、宇多田が男女のパートを1人で演じ分けるという、ミュージカルのような要素を含む楽曲。ハイレゾでの聴きどころはやはり冒頭のコントラバス。一音一音がずっしりとした響きで楽しむことができる。

3.花束を君に

 連続テレビ小説『とと姉ちゃん』主題歌としてお馴染みの同曲は、ハイレゾ環境だと生のオーケストラによる音色が実に心地良い。また、Bメロ〜サビ前の部分で宇多田がブレスを使っている部分が複数あるので、通常の音源よりも息遣いの強弱がはっきりしているハイレゾ版では、ぜひその違いを聴き比べてみてほしい。

4.二時間だけのバカンス featuring 椎名林檎

 宇多田と椎名のボーカルが1番と2番でスイッチする同曲は、2人の歌声に合わせた音域の範囲内でそれぞれが歌唱をしているため、あらためて2人の歌を聴き比べることができる。特に筆者がハイレゾ版を聴くに当たって注目したのがBメロ冒頭の部分。少し低いキーで歌う宇多田と椎名の声が、それぞれ違った立ち上がり方をしていることがハッキリとわかった。

5.人魚

 ハープの音色がヒーリングミュージックのような心地よさを与えてくれるこの曲は、アルバムにおいても前半・後半の切り替えを担う重要な役どころでもあるように感じた。この後に訪れる緊張に備えての緩和、ともいうべきだろうか。ハイレゾ版の聴きどころとしては、やはりハープの音色が真っ先に上がるが、終盤のサビ〜アウトロにかけてのコーラスワークもポイントであることを記しておきたい。

6.ともだち with 小袋成彬

 気鋭のレーベル<Tokyo Recordings>のOBKRこと小袋成彬を迎えた同曲は、ゲストを迎えたほか2曲が「featuring」であるのに対して「with」表記となっており、実際に楽曲を聴くと、彼が深く関与したことが感じ取れる。楽曲としては、ホーンセクションの使い方が絶妙な、現行シーンとも親和性の高いダンストラックに、宇多田のボーカルが乗るという、10代〜20代のトラックメイカー・プロデューサーや彼らのファンなら飛び跳ねて喜びたくなるような内容だ。ハイレゾ版では、先に挙げたホーンセクションのほか、Aメロの裏で鳴っているギターアルペジオにも注目してほしい。

      

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