高橋優が5年間の活動を振り返る「ずっと“笑う約束”をいろんな人たちと交わそうとしてきた」

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 『高橋優 BEST 2009-2015『笑う約束』』は、デビュー以降の全シングルに加え、インディーズ時代の代表曲、アルバムやライブの人気曲、さらに新曲も加えた2枚組30曲のビッグサイズ。新しいファンの入口として入りやすく、熱心なファンが彼の軌跡を辿りなおすにも十分な深みを持つ作品だ。シンガーソングライターとして、今ここにある切実な思いを歌い続けて来た彼の歌が、どんな感情曲線を描いて今に至り、これからどこへ向かうのか。注目すべき新曲を中心に、じっくりと話を訊いた。(宮本英夫)

「約束って、大人になればなるほど、義務的な言葉になってくる」

--30曲を選ぶのはなかなか大変だったと思うんですけど、選曲はどんなふうに?

高橋優(以下、高橋):シングルは全部入れないと、ベスト・アルバムという表記にできないと思うんですよね。なのでシングルは全部入れましたが、僕が思ったのは、出す以上は自分らしく、高橋優らしい総決算のものを出すのがいいかなと思って、タイトルをまず最初に考えたんですよ。

--選曲の前に?

高橋:そうです。それで『笑う約束』という言葉が出てきて、それに添った楽曲選びをしました。

--なぜ『笑う約束』だったんですか。

高橋:僕がこの5年間で作ってきた楽曲もそうだし、ライブのMCでも言ってきたんですけど、「いつか笑えたらいいね」ということがあって。「こどものうた」の中でも“「生まれて良かった」って笑える日まで/絶望の平成にこどものうた”と歌ってるし、ライブの中では“今日を一緒に笑おうぜ”と言って歌いだして、ライブの最後のほうでは「また会えた時には一緒に笑い合おうね」ということをよく僕は言っていて。端的に言えば僕はずっと“笑う約束”をいろんな人たちと交わそうとしてきたのかな?と。

--ああ、なるほど。

高橋:約束って、大人になればなるほど、義務的な言葉になってくるじゃないですか。「何時にどこで会う約束になってます」みたいな、そういうことが僕の周りでも増えてる気がして、淋しかったのもあって。「次に会ったら笑おうね」という約束はなかなか、言葉にすると気持ち悪いから僕も普段は言わないですけど、でもこの5年間、僕が音楽でやろうとしてきたことというのは、「いつか一緒に笑い合おう」ということだったので。だから『笑う約束』にしました。

--そのテーマに沿った曲を、インディーズ時代も含めて各時代まんべんなく集めた30曲と。

高橋:そうですね。

--その中でも特に気になる、このアルバムで初登場の新曲について、聞いていいですか。

高橋:もちろん。

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