カセットテープ人気再燃の背景とは? カセット世代の人気者トム・ベイリーも来日

 1980年代に活躍したイギリス出身のニューウェーブ・バンド、トンプソン・ツインズのボーカリスト、トム・ベイリーが28年ぶりとなる来日公演を先日開催した。1986年には日本武道館公演をおこなっているほど、日本でもかなりの人気を誇っていたトンプソン・ツインズだが、その人気は彼らが出演したマクセルのカセットテープ「UDシリーズ」のCMによるところが大きかった。耳馴染みの良いポップなメロディと時代の先端をいったシンセ・サウンドが「UDシリーズ」にポップで親しみやすい印象を与えたことで、マクセルのカセットテープを手にする機会が増えた音楽ファンも多かったのではないだろうか。当時はレコードと同様にカセットテープでもアルバムがリリースされており、音楽ファンにとっては一番小さくて手軽な音楽メディアとして親しまれていた。

 その後、80年代から90年代に入り、MDの登場を経由してデジタル音源のダウンロードへと変わっていく中で姿を消して以来、カセットテープで作品が発売されることもなくなったわけだが、ここ数年カセットテープのリバイバル・ブームが起こっていることは音楽ファンならご存知の通り。若いバンドマンや音楽ファンの人気を集め、CDショップやライヴ・ハウスの物販などで目にする機会も増えてきた。インディーズ系CDショップに行けば今や当たり前のようにカセットテープで音源が売られているし、その数はどんどん増えている。

 その動きはライヴ・ハウス界隈やインディーズショップだけにとどまらず、2014年1月にダブバンドTAMTAMがメジャー・デビューに際して全国のタワーレコードで「謎のカセットテープ」を無料配布したことや、OGRE YOU ASSHOLEがニュー・アルバム『ペーパークラフト』の初回限定盤にDLコード付きカセットテープを付属させたり、森は生きているが「煙夜の夢」をカセットテープで限定リリースしたことも話題となった。

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