ミスチルや平井堅らのヒット曲に見られる「小悪魔コード進行」とは? 亀田誠治とスキマスイッチが解説
音楽プロデューサーの亀田誠治がJ-POPのヒット曲を分析するテレビ番組『亀田音楽専門学校 SEASON 2』(NHK Eテレ)。11月7日放送分では、ゲストのスキマスイッチとともに「恋するコード学~小悪魔編~」をテーマに講義を行った。
冒頭、亀田は「ありとあらゆる名曲に使われている」として「F→G(G/F)→Em→Am」という多用されているコードを“小悪魔コード進行”と名付けて説明、その代表例としてケツメイシ「さくら」、Mr.Children「HERO」、平井堅「瞳をとじて」を挙げた。スキマスイッチの大橋卓弥は小悪魔コード進行について「音楽を始めたころに一番初めに覚えたコード進行。これを知っておけば色々な楽曲を弾けるようになる」と語るなど、アーティストの間でもかなり浸透しているコード進行のようだ。
“小悪魔コード進行”は万能でJ-POPのどこでも使える
亀田は自身が手掛ける楽曲にも小悪魔コードを多用するそうで、「扱いは僕に任せてくれというくらい」と自負。コードの仕組みについては、「F→G(G/F)から明るい主和音(曲のキーとなる和音)のCに向かって着地すると見せかけて、暗いEmに繋がる。迫ってきたと思ったら突き離される、答えが出ない情景を作り出すコード」と解説した。
続いて亀田とスキマスイッチは、同コード進行が永続的にループできることも特徴のひとつだとし、Cで抜ける「小悪魔と決別したパターン」と、Amで抜ける「小悪魔と離れられないパターン」を実演。大橋「このコードは色んな結末に行けるし、どのコードの間にも入れる」とし、Aメロ、Bメロ、サビ、J-POPのどこでも使うことができる万能コードであると語った。
「小悪魔を食い止める」“分数コード”
亀田は「小悪魔に押し出されるのをグイッと食い止める方法がある」とし、例としてスキマスイッチの代表曲「全力少年」を挙げた。大橋は同曲に「F→G→Em→Am」ではなく「G/F」の分数コードを使用し、「F→G/F→Em→Am」という進行に変えていると語ると、亀田は「Fが踏ん張ることによって再低音がキープされ、メロディーの動きが引き立つ」と解説。大橋はこの些細な変更を加えた理由について「いかに悟られずに気持ちを揺さぶるか」と、楽曲に込めたタネを明かした。