WEAVERが振り返る、音作りに賭けた5年の日々「楽器の満ち引きのような面白さを出したい」

「コンポーザーとしての意識が強くなってきた」(奥野)

――特にスネアに関して、パターンというより音色で表現していますね。

河邉:複雑なことをするのではなくて、「普通の8ビートがどれだけ気持ちよく流れるか」を重視した音が、今の自分の核になっていると思います。

杉本:僕は、元々楽器のアンサンブルが好きで、ピアノバンドであることは、アンサンブルの選択肢が限られてしまうジレンマでもありました。亀田さんとやっていく中でいろいろな楽器を使うことの面白さを知ることができたし、その後バンドとして考えた時の3人の音の重要性も再確認できました。今はピアノだけを押し出すのではなく、全体の楽器の満ち引きのような面白さを出していきたい、と改めて思っています。

奥野:最近の楽曲のベースのあり方を自分で考えると、「ベースを弾くことを楽しむ」というより「音楽を楽しむ」という感覚が強くなってきていると思います。例えば「Free will」では延々と8分音符を弾いていますけど、ベースの8分音符を土台にしてストリングスが伸び伸びと鳴って、コーラスが響く、というような部分に気持ちよさを感じるようになりました。「夢じゃないこの世界」や「こっちを向いてよ」もAメロはすごくシンプルで、カウンターメロディのところだけベースがスッと前に出ます。そういう、曲トータルでの気持ちよさを求めるようになりました。昔は曲単体ごとに聴き応えのあるベースにしようとしていましたけど、コンポーザーとしての意識が強くなってきたこともあって、音楽全体にフォーカスを当てるようになってきました。それが今の自分のスタイルだと思います。

――では今は、他のパートを入れることに対するこだわりや抵抗はさほどなく、曲に必要なものを取り入れる、というスタンスですか?

杉本:ライブで表現できることは重要ですから、3人だけで弾いて違和感がないようにある程度は意識して作っています。ただ欲しい音を入れていけばいい、とは思っていません。

――最後に、自分の中で「この音に挑戦したい」というようなモードはありますか。

杉本:クラブミュージックも好きなので、音のループ性は取り入れたいし、『こっちを向いてよ』のリフのループのように意識している部分があります。今ロンドンで作っているものにも、ひとつのフレーズをループさせながら動かしてくような曲があります。ループの気持ちよさは今自分にとって大きいですね。

河邉:ロンドンにいることの影響が大きいんですけど、向こうのバンドは、振る舞いがクールで、そこが日本人とは違います。一緒にやっているアーティストもよく僕に「演奏中に笑うな」と言います。ずっと顔を上げないドラマーもいますし、お客さんに媚びない感じなんです。あんまり僕たちの周りにそういうバンドはいないから、「そういうものをかっこいいと思う人達に集まってもらいたいな」とも思います。それが自分の中で今キテる感じです(笑)。

――河邉さんが急にそれをやったら、ファンに衝撃を与えるかも(笑)。

奥野:「今日機嫌悪いな」って(笑)。僕は最近、シンセを鳴らすのに心地よさを覚えます。海外のバンドで、ギタリストやベーシストも曲によってシンセを弾くのが増えてますよね? それは曲の幅を広げるキーポイントでもあるとも思います。昔はあんまりWEAVERでシンセを鳴らすイメージはありませんでしたけど、最近はそういう曲も増えてきて、ライブでもそんなシーンがあったら面白そうですね。

(取材・文=小林郁太)

■リリース情報
『ID』
発売:6月11日
価格:初回盤(CD+DVD+初回盤特典) ¥3,400(tax out) 
   通常盤(CD) ¥2,600(tax out)

<収録内容>
M1.66番目の汽車に乗って
M2.トキドキセカイ
M3.白朝夢
M4.レイス
M5.管制塔
M6.僕らの永遠 ~何度生まれ変わっても、手を繋ぎたいだけの愛だから~
M7.Hard to say I love you ~言い出せなくて~
M8.キミノトモダチ
M9.Shine
M10.偽善者の声
M11.Shall we dance
M12.Free will
M13.Just one kiss
M14.夢じゃないこの世界
M15.こっちを向いてよ
M16.Hope 〜果てしない旅路へ〜 *未発表曲

<DVD収録内容>※初回盤のみ
・Music Video Clip
M1.白朝夢
M2.レイス
M3.トキドキセカイ
M4.2次元銀河
M5.Hard to say I love you ~言い出せなくて~
M6.僕らの永遠 ~何度生まれ変わっても、手を繋ぎたいだけの愛だから~
M7.管制塔(Live ver.)
M8.キミノトモダチ(Short ver.)
M9.『あ』『い』をあつめて
M10.Shine
M11.笑顔の合図
M12.66番目の汽車に乗って(Live ver.)
M13.偽善者の声(Short ver.)
M14.REPLAY 〜Medley of Handmade〜
M15.Shall we dance
M16.夢じゃないこの世界
M17.こっちを向いてよ(Original ver.)

・Bonus Video Clip
M18.Time Will Find A Way(WEAVER×Instinct)
M19.Light (WEAVER×Instinct)

■ライブ情報
『WEAVER “ID” TOUR 2014 「Leading Ship」』

・福岡
日時:9月13日(土)開場17:30/開演18:00
会場:福岡国際会議場メインホール
チケット:¥4,500(税込)
問い合わせ先:BEA 092-712-4221

・広島
日時:9月14日(日)開場16:00/開演17:00
会場:広島クラブクアトロ
チケット:¥4,300(税込)※ドリンク代別
問い合わせ先:夢番地(広島)082-249-3571

・宮城
日時:9月21日(日)開場16:30/開演17:00
会場:宮城・日立システムズホール仙台
チケット:¥4,500(税込)※ドリンク代別
問い合わせ先:GIP 022-222-9999

・新潟
日時:9月23日(火)開場17:00/開演17:30
会場:新潟・りゅーとぴあ・劇場
チケット:¥4,500(税込)※ドリンク代別
問い合わせ先:キョードー北陸チケットセンター 025-245-5100

・大阪
日時:9月27日(土)開場16:45/開演17:30
会場:大阪・オリックス劇場
チケット:¥4,500(税込)※ドリンク代別
問い合わせ先:キョードーインフォメーション 06-7732-8888

・高松
日時:10月4日(土)開場16:45/開演17:30
会場:高松・オリーブホール
チケット:¥4,300(税込)※ドリンク代別
問い合わせ先:デューク高松 087-822-2520

・名古屋
日時:10月9日(木)開場18:30/開演19:00
会場:名古屋市公会堂 大ホール
チケット:¥4,500(税込)※ドリンク代別
問い合わせ先:サンデーフォークプロモーション 052-320-9100

・札幌
日時:10月9日(木)開場17:30/開演18:00
会場:札幌ペニーレーン24
チケット:¥4,300(税込)※ドリンク代別
問い合わせ先:マウントアライブ 011-211-5600

日時:10月21日(火)開場18:00/開演19:00
会場:渋谷公会堂
チケット:¥4,500(税込)※ドリンク代別
問い合わせ先:ホットスタッフ・プロモーション 03-5720-9999

【入場制限】
広島・高松・札幌公演は、未就学児童入場不可 
福岡・仙台・新潟・大阪・名古屋・東京公演は、4歳以上チケット必要・3歳以下入場不可

※チケット先行スケジュールは追って発表

『Amuse Fes 2014 BBQ in つま恋 ~僕らのビートを喰らえコラ!~』
日時:7月19日(土)
会場:静岡・つま恋
詳細:http://www.amusebbq.jp/

■WEAVER関連リンク
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