野村万蔵、古河耕史、嘉島陸、若林拓也も 『あんぱん』高知新報で働くメンバーをおさらい

『あんぱん』高知新報のメンバーをおさらい

 “朝ドラ”ことNHK連続テレビ小説『あんぱん』の人物相関図はがらりと変わり、新聞社の面々が登場した。のぶの上司で、高知新報編集局主任には津田健次郎演じる東海林明、そして3カか月先輩の同僚として倉悠貴演じる岩清水信司がいる。3人が一丸となって月刊誌創刊へと突き進む一方で、他部署にはのぶたちを冷ややかに見る同僚や、厳しく目を光らせているお偉方の姿もある。高知新報の男性新キャラクターたちとその俳優たちに注目してみた。

『あんぱん』津田健次郎&倉悠貴が演じるのはどんなキャラ? 役どころと起用理由を紹介

NHK連続テレビ小説『あんぱん』は、長く苦しかった戦争の時代を超え、舞台は戦後へと移り変わっていく。「愛国の鑑」と呼ばれ、軍国主…

 まずは、高知新報の編集局長である霧島了だ。霧島は、上層部の一人として、進駐軍の動きも気にしながら采配を振るっている。入社面接では中央に座り、のぶが戦時中「愛国の鑑」と呼ばれていたことを問題視して、厳しい態度で質問していた。

 演じている野村万蔵は、父が人間国宝・七世野村万蔵という家柄の出身。4歳で初舞台を踏み、2005年に九世万蔵を襲名している。独特の声のハリは、伝統芸能の鍛錬の証なのだろう。野村は伝統と歴史の伝承につとめる一方で、「現代狂言」を旗揚げし、ウッチャンナンチャンの南原清隆とのコラボや、ももいろクローバーZのライブへの出演など、新しい試みにも果敢に挑戦。俳優としても、NHK大河ドラマ『西郷どん』(2018年)などに出演している。

 霧島は、時代の変化、特に進駐軍の動向や政治的圧力に敏感に反応しながら、新聞社の方針を決めていく責任ある立場にある。それゆえに表情は厳しく冷徹に見えるが、根底にあるのはきっと、報道への深い信頼、会社や社員たちを守らなければならないという強い責任感なのだろう。野村のただものではない存在感が、時代の緊張感と新聞記者という仕事の重みを感じさせてくれる。

 いつも霧島にくっ付いているのが、鳥居出だ。編集局次長という中間管理職的な立場で、自由奔放な東海林とは対立しがちな役である。演じる古河耕史は、新国立劇場演劇研修所第1期を卒業し、2010年には舞台『監視カメラが忘れたアリア』で初主演を果たした。舞台・映像を問わず幅広いキャリアを持つ俳優で、理知的なルックスもあって、『特捜9』(2019年/テレビ朝日系)、『刑事7人』(2020年/テレビ朝日系)など、テレビドラマでは主に冷静沈着な刑事役を演じることが多い印象だ。

 鳥居はのぶの面接の際も、霧島と東海林の板挟みになって、表情を緩ませたり厳しくなったりと忙しかった。現場と上層部の板挟みに苦しむポジションだが、人間臭さも感じさせるところが魅力になりそうだ。古河の演技は、そんな鳥居のジレンマを誠実に、時にユーモラスに表現してくれるだろう。

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