『あなたを奪ったその日から』“旭”大森南朋のターンに 北川景子が体現した「子ゆえの闇」

親子をやめることと同時に描かれたのが、親子に戻ることである。失われた絆の再生は、血がつながっているだけに、疑似的な親子関係の構築より難しいかもしれない。自身の過ちを悔いる旭は、娘の方を向いて、娘とともに親子の空白を埋めようとする。決して急がずに。
第10話を通して、一色香澄の演技が出色だった。心を揺さぶられながら同時に観るものの心を揺さぶる感情の発露や、一つの事実によって根底から覆される関係を的確に演じ分けており、北川景子や大森南朋との息の合ったやり取りは、たしかな可能性を感じさせた。今後、さまざまな役柄に挑戦する中で、才能が磨かれていくことに期待したい。
雪子(原日出子)が語った「子ゆえの闇に迷う」が響いた。親の業を端的に示す言葉だが、子の立場からすると、自分のために思い悩み、ときには命を賭して守ろうとする親の思いは、たとえ目の前が暗闇でも尊いものではないだろうか。ふたたび我が子を失った紘海は廃人のように生気がなく、一人きりで闇の中にいる。ひとたび親になれば、そのことで感じる喜びや悲しみを捨て去ることはできない。どうか紘海に救われる日が訪れますように。
サスペンスフルなストーリーの中で生まれる親子愛を描く物語。『アルジャーノンに花束を』(TBS系)、『砂の塔〜知りすぎた隣人』(TBS系)の池田奈津子が脚本を手がける。
■放送情報
『あなたを奪ったその日から』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週月曜22:00~22:54放送
出演:北川景子、仁村紗和、平祐奈、阿部亮平(Snow Man)、水澤紳吾、小川李奈、一色香澄、田山由起、内藤秀一郎、原日出子、鶴田真由、大浦龍宇一、中原丈雄、筒井道隆、大森南朋
脚本:池田奈津子
演出:松木創
企画:水野綾子
音楽:村松崇継
主題歌:back number「ブルーアンバー」(ユニバーサル シグマ)
プロデューサー:三方祐人
制作:カンテレ、共同テレビ
©︎カンテレ
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