『あなたを奪ったその日から』“あの日”の真相が明らかに 北川景子の声にならない叫び

『あなたを奪ったその日から』(カンテレ・フジテレビ系)第9話では、“あの日”の真実が明らかになった(※本記事ではドラマ本編の内容に触れています)。
玖村(阿部亮平)から衝撃の事実を聞かされた旭(大森南朋)。紘海(北川景子)が灯(石原朱馬)の母親だと知り、次いで、砂羽(仁村紗和)が鷲尾(水澤紳吾)の娘であることを知らされる。その頃、望月(筒井道隆)は紘海の家を訪ね、美海(一色香澄)と接触。鉄道好きで左腕の同じ場所にほくろがあることなど、失踪した萌子との共通点に気づいた。
第9話は、これまでの各話のエピソードを通じて積み重ねられた謎が次々に明かされ、疑問が氷解した。それらはすべてアレルギー食材混入事件と過去の一点に向かっており、そこを起点にして、登場人物たちの現在の行動につながる。それまでさして注目を集めず、地味な印象すらあったキャラクターが、物語のキーパーソンとして浮上する。今作では、梨々子(平祐奈)だった。
旭に真実を語る決意をさせたのは、紘海の存在が大きかっただろう。我が子を奪われた癒えることのない痛みが、事件の遺族に対する痛恨の念と心からの謝罪を呼び起こした。娘を思う気持ちに嘘はないが、結果として取った行動は、本当の意味で子どものことを考えていたと言えるだろうか。自分自身と向き合い、家族と向き合う中で、旭は過去の罪と対峙する。
紘海からすると、それは聞きたくない言葉である。正確に言うなら、紘海は事件の真相を知るために、リスクを冒して相手のふところにも飛び込んできた。そのことを知ってしまうことで、取り返しのつかない状況に自分自身を置いてしまうという予感があったのではないだろうか。そして実際に、真実と向き合うことは誰かを傷つけることでもあった。