河合優実、朝ドラ初出演『あんぱん』でさらなる飛躍 大躍進を遂げた2024年までを振り返る

『あんぱん』“朝ドラ”初出演の河合優実に期待

 第1週目から豪華すぎるキャスティングが眩しかったNHK連続テレビ小説『あんぱん』。子役たちの哀愁漂う好演を受け、第3週目から大人キャストにバトンタッチしたことで、より画面が華やかになった。数年にわたり映画界で注目を集め続け、『あんのこと』で、第48回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した河合優実が満を持して朝ドラに出演。彼女が朝ドラでどんな芝居を見せるのか注目している人も多いだろう。

 2024年の河合は凄すぎた。語彙力のない表現だが、ドラマ、アニメ映画、実写映画と、どのメディアでも爪痕を残した活躍は、凄すぎたとしか言えない。数年で積み上げるキャリアを一年間で網羅し、実力を余すことなく世の中に見せつけていった。

 まず、2024年冬クールの『不適切にもほどがある!』(TBS系)。河合は主人公・小川市郎(阿部サダヲ)の娘・純子を演じた。数年後に阪神・淡路大震災で命を落としてしまう役柄だが、令和にタイムスリップした先で大人になった娘であることを知らないまま、娘の犬島渚(仲里依紗)を前にしたときの、母性と慈愛が滲む純子の表情は素晴らしかった。

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 ワンレンボディコン姿、幼い渚を抱く母としての姿、令和の高校生らしいファッションを楽しむ姿など、作中で複数の時間軸を演じた河合。同じ作品のなかでも立場や時代が違えば、佇まいや口調が変わることを丁寧に表現していった。『不適切にもほどがある!』の、タイムスリップSFでありつつ過去の回想も複雑な作劇に説得力を持たせた役者の一人だろう。

 4月には、『RoOT / ルート』(テレ東系)で主演を務め、7月からは2023年にNHK BSプレミアムで放送された初主演ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』がNHK総合で再放送。3クール連続テレビドラマで活躍を見せてくれた。

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 この時点で大活躍と言えるが、活躍はドラマだけにおさまらない。6月には主演を務めた劇場アニメ『ルックバック』が公開。河合が演じた漫画家を目指す不器用な女の子・藤野は、作中で小学4年生から中学、高校を経て、10代後半まで成長する。河合は心身の成長を声できっちりと表現しつつも、見栄っ張りで意地っ張り、相方・京本(吉田美月喜)の前では素直になれない藤野の性格をセリフの抑揚に乗せ、どの瞬間も藤野という人間のいじらしさを演じていった。声だけでもこんなに芝居が上手いのかと誰もが唸っただろう。

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