『アンサンブル』松村北斗が向き合った過去の傷の原点 最終話で描かれたことの大きな意味

さて、このドラマ全体を総括すれば、一にも二にも脚本の杜撰さが目につく作品であったと言わざるを得ない。“リーガルラブストーリー”と銘打たれ、公式サイトのイントロダクションには次のように書かれている。「二人は様々な恋愛トラブル裁判に挑みながら、そこで得た『恋の教訓』を、自分たちの恋愛にいかしてゆく。しかし、元恋人が現れたり、家族や同僚からの邪魔があったりと、トラブル満載で…」。はたしてそんなドラマだっただろうか。

全10話で本編の尺はざっと440分ほど。そのなかで仕事らしい仕事をしていた時間はざっと80分ほどで、裁判のシーンは計4回で、ざっと20分ほど。職業的な部分はまったく物語に活きず、“リーガル”と呼ぶにはさすがに名ばかりで、たまたま弁護士という職業に設定された男女のラブストーリーであったに過ぎない。ましてや「同僚からの邪魔」はなかったと記憶している。「恋の教訓」と呼べるものも、あるとすれば「互いにしっかり話し合おう」というようなことぐらいか。もっともそれは、恋愛トラブルだけでなく、民事で扱われる紛争のほとんどに通じる理想であることは間違いない。
■配信情報
土ドラ10『アンサンブル』
TVer、Huluにて配信中
出演:川口春奈、松村北斗(SixTONES)、板谷由夏、長濱ねる、じろう(シソンヌ)、東野絢香、橋本マナミ、SUMIRE、戸塚純貴、横田真悠、田中圭
脚本:國吉咲貴、諸橋隼人、ニシオカ・ト・ニール
監督:河合勇人ほか
チーフプロデューサー:松本京子
プロデューサー:後藤庸介、大倉寛子、金澤麻樹
音楽:澤田かおり
主題歌:aiko「シネマ」(PONY CANYON)
制作協力:日テレアックスオン
©日本テレビ
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