『イカゲーム2』ファン・ジュノ役続投で注目度アップ ウィ・ハジュンの“ギャップ萌え”の妙

ウィ・ハジュンに“ギャップ萌え”!

 2021年9月に配信され、瞬く間に世界1億4200万世帯が視聴し、Netflix史上最大のヒットシリーズとして君臨し続けている『イカゲーム』。膨大な借金や深刻なトラブルによって人生を諦めかけた者たちが、一発逆転しようと高額賞金を懸けて“負けたら即死する”ゲームに巻き込まれていく人生の悲哀を描く。2024年12月にシーズン2が配信され、現在、また世界中で注目を集めている同作にシーズン1から続投しているのが、刑事ファン・ジュノ役のウィ・ハジュンだ。

 ジュノは、失踪した兄ファン・イノ(イ・ビョンホン)を追ってゲームに潜入するが、思いがけない事態に襲われる。シーズン1では、ゲームの運営側に崖に追い詰められ、マスクを取ったフロントマンが実は兄イノだったと判明。「なぜ」という言葉を残し、愕然とした表情のまま、兄から銃で撃たれて崖の下へ転落。その安否は不明だったが、シーズン2で生き延びた姿を見せ、主人公ソン・ギフン(イ・ジョンジェ)が“めんこ男”ことスカウトマン(コン・ユ)と対峙する場所を突き止め、真実を解明するためギフンに協力。新たな展開を見せるのだった(個人的には大暴れするコン・ユにもぜひ注目してほしい)。

 ウィ・ハジュンの世界的知名度を一気に高めた『イカゲーム』について、「シーズン1に続きシーズン2に出演するということだけでも嬉しい」「シーズン3ではさらにダイナミックに描かれそうだ。期待していただければ幸いだ」(※)と話す彼だが、日本では2024年にファンクラブが開設され、初のファンミーティングも実施と、同作のシーズン3とともにさらに日本での注目度が高まることは間違いないだろう。

『イカゲーム』シーズン1 Netflixにて独占配信中

 『イカゲーム』のように、キレのいいアクションを繰り出す硬派な役柄がとてもよく似合っているウィ・ハジュン。それは鍛え上げられた肉体で立ち回る俊敏さ、素朴な顔立ちだからこそのリアルさ、演技に対する貪欲さといった数々のファクターが彼の存在を際立たせている。そんなウィ・ハジュンのこれまでを少し振り返ってみたいと思う。

 1991年8月5日、韓国南端の小さな島で生まれたウィ・ハジュンは小さな頃から体を動かすことが好きで、高校生になるとダンスにもハマり、アイドルを目指すようになる。両親を説得してソウルの高校へ転校するも、アイドルのオーディションに落ち、その後大学で演劇を学びながら俳優のオーディションを受けるも落選。島育ちの彼にとって、まず標準語を話すことに苦労したそうだが、持ち前のハングリー精神で困難を克服していった。

 俳優として本格的なデビュー作となったのは、チャイナタウンの闇社会に生きる人々を描いたクライムサスペンス『コインロッカーの女』(2015年)。闇金業を営む“母さん”(キム・ヘス)の下で働く組織の一員ウ・ゴン(オム・テグ)の少年時代を演じていたウィ・ハジュンが印象的深い。ちなみに同作で、キム・ゴウン演じるコインロッカーに捨てられていたイリョンの子ども時代役のキム・スアン(コン・ユの子ども役を演じた『新感染 ファイナル・エクスプレス』などでも活躍)も秀逸だった。

 その後もいくつかのドラマや映画に出演するも芽が出ない時期が続いたウィ・ハジュンにとって、ターニングポイントとなったのは2018年。初の主演映画となったPOVホラー『コンジアム』が公開され、韓国で大ヒット。世界7大心霊スポットのコンジアム精神病院に潜入し、恐怖動画を生配信する「ホラータイムズ」のリーダー・ハジュン役を演じ、第39回青龍映画賞新人男優賞にノミネートされた。視覚的にも、音響的にも、とにかく恐怖心を煽る同作には、最近『イカゲーム』シーズン2でも共演したパク・ソンフンも「ホラータイムズ」のメンバーとして出演している。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる