『その電話が鳴るとき』ユ・ヨンソクの凄み漂う会見シーン ヒジュの行動力が悲劇を呼ぶ
今回、本物のペク・サオンが過去に子供たちを殺めたことや、ペク家が隠蔽してきたことが明かされた。ヒジュが愛する夫であるサオンは、過去の回想から名前が“ない”ことがわかる。15歳になり、「ペク・サオン」となるまでの間、名づけられなかったことが、サオンの祖父ペク・ジャンホ(チョン・ドンファン)との過去で明かされたのだ。親の愛を知らず、孤独に生きてきたサオンが、孤独な少女であるヒジュに出会い、彼女を救い出すことを目的に結婚をして、意に添わぬ結婚をさせたヒジュへの思いを胸に秘めてきた。ようやくヒジュと心が通じ合い、愛し合う日々が始まったのに……。ヒジュの生死がわからず、サオンは記者会見に踏み切る。そこでサオンは、これまで隠してきた自分の秘密を国民に明かし、行方不明となった妻・ヒジュの存在を公にする。
ユ・ヨンソクは、会見の場面で凄みのある演技を見せる。ヒジュが行方不明になってから眠っていないであろう蒼白の顔面、やせこけた頬、目の下のクマ、充血して涙する眼、そして、涙を堪えようとしてもこみ上がる感情が伝わる圧巻の演技だ。「何もしてやれなくて、まだ幸せにしてやれてないのに」「“今度”がないなんて思ってもみませんでした」と心境を激白する姿に涙が止まらない。
ヒジュの写真を見つめる魂の抜けたような姿と、棄てられた子犬のような、惨めで恐ろしさに苛まれる眼差しが、胸に刺さり苦しい。15歳の頃からサオンの生きる意味であったヒジュの命のともしびが消えそうな今、サオンの命までも一気に消えてしまいそうな儚さを感じさせるユ・ヨンソクの演技は神がかっている。
“こじらせ夫”として眉間に皺を寄せ、ときに激しく熱い感情表現を見せて、筆者を含む視聴者を夢中にさせるペク・サオン。残すところ2話で、ヒジュは見つかるだろうが、記憶を失くしたりはしていないだろうか。サオンはヒジュと一緒に新しい名前をつけるのだろうか。2025年の始まりは、ユ・ヨンソクとチェ・スビンが夢中にしてくれることは間違いないだろう。
■配信情報
『その電話が鳴るとき』
Netflixにて配信中
出演:ユ・ヨンソク、チェ・スビン、ホ・ナムジュン
制作:パク・サンウ、キム・ジウン
(写真はMBC公式サイトより)