『おむすび』浜崎あゆみ&安室奈美恵の楽曲をなぜ使用? 制作統括「マストであり、必然」

『おむすび』浜崎&安室楽曲の理由

 NHK連続テレビ小説『おむすび』が現在放送中。平成元年生まれの主人公・米田結(橋本環奈)が、どんなときでも自分らしさを大切にする“ギャル魂”を胸に、栄養士として人の心と未来を結んでいく“平成青春グラフィティ”。

 ドラマには平成を彩った様々なカルチャーが登場するが、とりわけ重要な役割を担っているのが、あの頃のJ-POP。第30話では、歩(仲里依紗)が自らの職業をカラオケビデオに出演する女優であると明かす際に、浜崎あゆみの「Boys & Girls」を熱唱するシーンが描かれた。

 制作統括の宇佐川隆史は「当時、その歌詞に思わずうなづいたという実感が私自身にもありましたし、ギャルのみなさんを取材する中でも、『浜崎あゆみさんの歌詞に救われた』『寄り添ってくれた』という言葉をたくさん聞きました。2000年代前半のギャルにとっての“演歌のようなもの”が浜崎あゆみさんであり、自分の中に染み入る楽曲だったと思います」と説明する。

 〈輝きだした 僕達を誰が止めることなど出来るだろう〉という歌詞は、「ギャルをやりたい、書道部もやりたい」と決意した結の感情にリンクするが、宇佐川は「私たちがこの作品で伝えようとしているギャルマインドが、『Boys & Girls』にはしっかりと表れている。それをぜひ物語に入れたいということで、脚本の根本(ノンジ)さんが選曲してくれました。以前、ハギャレンがカラオケで歌う場面もありましたが、根本さんはその頃から、歩の歌唱シーン、そして“結との和解”を想定して書いていらっしゃったと思います」と経緯を明かす。

 さらに、「ドラマの打ち合わせが終わったあとに『あの時のように、歌をまた歌いに行こうよ!』とカラオケを何度となく歌いに行きまして(笑)。90年代の楽曲は、聴くだけでなく“歌う”という感覚が大事なんですよね。もちろん歌詞の内容も大切ですが、理屈を超えて、あのとき私たちが歌うことで感じた熱を、あらためて感じたという理由で、曲を物語に組み込んだ部分も大きいと思います。その行為自体が平成だから」と選曲時のエピソードを振り返った。

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