朝ドラ『あんぱん』を楽しむためには『アンパンマン』も予習必至? CPに見どころを聞く

『あんぱん』の見どころをCPに聞く

 放送開始まで残り1カ月を切っているNHK連続テレビ小説第112作目『あんぱん』。『アンパンマン』の原作者として知られるやなせたかしと小松暢の夫婦をモデルとした勇気の物語が紡がれる。主演を務める今田美桜の笑顔が輝くビジュアルなどからも、本作に期待を寄せている方も多いことだろう。

 3月11日に開催された記者会見にて、制作統括の倉崎憲は本作を制作するきっかけに「アンパンマンのマーチ」があったことを明かす。

「2025年度前期の朝ドラを任せるとお話をいただいた日の帰り道、雨に打たれながら本当に無意識に『アンパンマンのマーチ』を口ずさんでいたんです。歌詞の中にある〈なんのために生まれて なにをして生きるのか こたえられないんてそんなのはいやだ〉という言葉がものすごく刺さったんです。朝ドラで何を描くべきかと問いかけられている気がして、“じゃあ、この歌詞を書いたやなせたかしさんは?”とその人生に興味がわきました。そこからやなせさんに関連する書籍を読み耽って、いろいろ調べていくと妻・暢さんの存在が本当に大きかったことがわかりました。それならば、朝ドラの原点といいますか、夫のたかしさんではなく、暢さんを主人公の物語にしようと考えました」

 制作のきっかけ自体も運命的なものを感じるが、奇跡的な運命は脚本に中園ミホを選んだことでも続いた。

「やなせたかしさんと暢さんをモデルにしようと決めた後に、中園さんに打診をしました。すると、まさかの中園さんがやなせさんが文通経験があった。これはもう運命としかいいようがないので、“何が何でもこの企画を実現する!”という思いでした」

 やなせが「アンパンマン」を生み出したのは人生の後半。『あんぱん』でも中盤以降になるようだが、「アンパンマン」の名前で物語にも登場はするようだ。そして、倉崎から明かされた言葉で興味深かったのが、「それぞれの登場人物に『アンパンマン』のキャラクターを込めています」という発言。すでに公開されている『あんぱん』人物相関図を眺めると、“あのキャラクター”で間違いないだろう人物がいる。

 「パン職人・屋村草吉/阿部サダヲ」だ。『アンパンマン』のパン職人といえば、ジャムおじさん。阿部が演じる屋村は、主人公・のぶ(今田美桜)たちから「ヤムおじさん」と呼ばれるのだ。パン職人のヤムおじさんとなれば、ジャムおじさんを意識しているといって間違いないだろう。

 先駆けて視聴した第1週試写で観た阿部の芝居は、『不適切にもほどがある!』(TBS系)などのコメディ要素が強めの役柄ではあった。心を動かす美味しいパンを作る、温かさを持っているなどジャムおじさんとの共通点もあるが、果たしてどのようにシンクロしていくのか。ほかにも、のぶの2人の妹(河合優実、原菜乃華)らがどんなキャラクターと重なるのか、想像するだけでも楽しそうだ。

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