『日本一の最低男』に続き『恋は闇』にも出演 志尊淳、30歳の節目でさらなる飛躍へ

2024年に個人事務所を設立して新たなスタートを切った志尊淳は、この2025年に30歳という大きな節目を迎えている。現在はドラマ『日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった』(フジテレビ系)に重要な役どころで出演中で、同作には彼の存在が欠かせない。そして来クールには、岸井ゆきのと共にW主演を務める『恋は闇』(日本テレビ系)の放送がはじまる。この数年はいつだってエンターテインメントの世界には志尊の姿があったが、とりわけ2025年は“志尊淳イヤー”だといえそうである。

本作は、人生の崖っぷちに立たされた“日本一の最低男”こと大森一平(香取慎吾)が、志尊が演じる義弟・小原正助の家族と生活をともにするうちに、やがて社会を変えていこうと奮闘していくことになる新しいホームドラマだ。
シングルファザーである正助(志尊淳)は、仕事と家事・育児の両立に限界を感じ、一平を頼ることになった。この状況を、“日本一の最低男”は利用するのだ。不祥事を起こしてテレビ局を追われたらしい一平は、政治家になって社会的に再起してみせようと目論んでいる。そうなのだ。世間からのイメージアップのために小原一家を利用しているところなのである。

そんな物語もいよいよクライマックスへーー。一平がただの“最低男”ではないことを、正助も私たち視聴者も理解してきただろう。情にほだされやすい彼は、義理や人情を重んじる愛すべき存在だといえるはず。この人物像を立ち上げているのは主演の香取なわけだが、そのキャラクター造形に大きく貢献しているのが志尊の存在だ。俳優・志尊淳の演技者としての在り方、芝居への姿勢が、主演の香取の演技に、彼が体現するキャラクターに、ひいては『日本一の最低男』という作品に、大きく影響しているのではないかと思うのである。
本作で志尊が演じている正助は、一平に助けを求める存在だが、決して弱い人間などではない。彼には彼の守るべき価値観や考え方があり、それを実現すべく行動してもいる。他者の存在によって変わっていく主人公・一平とは、対照的な人物だともいえるかもしれない。演じる志尊のセリフ回しにはいつも魅せられる。彼は現代を生きるひとりの若者であり、ひとりの父親だ。発する言葉に迷いがないこともあれば、探り探りの状態なこともある。あるときには自信があって、あるときには自信がない。

父親だからといって、自信満々なわけではない。相手が誰であろうと、その存在を軽んじることを彼は絶対にしない。正助とはそういう人物であり、志尊が体現するそんな“人間”は、極めて現代的なキャラクターなのである。『日本一の最低男』の見どころはいろいろとあるが、志尊の表情の多彩さはその最たるもののひとつだろう。




















