7月期アニメはオリジナル作品が目白押し！　『【推しの子】』第2期以外で注目すべきは？

　夏クールのTVアニメが順次放送開始となるが、本数が多くなりすぎて、「どの作品を観ればいいのかわからない」という方も多いのではないか。人気原作や2期以降の続編作品はすでに一定の知名度も獲得しているが、特にオリジナル作品は注目作がわからないという声もよく聞く。今回はこの夏からスタートするオリジナル作品を中心に、注目のTVアニメを紹介する。

『【推しの子】』第2期

　最初に続きものの紹介になってしまうが、この夏最大の注目作として欠かせないのが『【推しの子】』の第2期だ。YOASOBIの「アイドル」が全世界的なヒットを記録し、まさに社会現象級の作品となった。6月に再上映された『【推しの子】Mother & Children』も多くの観客が入り、今なお人気が加速していることをうかがわせる。12月には実写映画・ドラマの公開・配信も控えており、2024年下半期は『【推しの子】』がエンタメ界を席巻するだろう。

『逃げ上手の若君』

　次に紹介したいのは『逃げ上手の若君』。『週刊少年ジャンプ』で連載中の人気作であり、北条時行を主人公として鎌倉時代末期からの騒乱を描いている。『SPY×FAMILY』を共同制作しているCloverWorksが制作を担当しており、PVでは時行の躍動感と自然の美しさの楽しい表現と、戦乱の血飛沫など時代の残酷さの対比が描かれている。映像表現としても一級であり『週刊少年ジャンプ』連載作品がTVアニメ化をきっかけに社会現象を巻き起こしていることからも、こちらも同様のヒットの可能性を秘めている。

『しかのこのこのここしたんたん』

　異例の試みにより注目度が増しているのが『しかのこのこのここしたんたん』だ。放送開始前にOPの冒頭約10秒ほどをエンドレスリピートした1時間を超える動画を公開したところ、独特な音楽のリズムとシュールな映像が大きな話題を呼んでネットミームとして広まった。また原作者のおしおしおが多くの人気Vtuberのキャラクターデザインを担当していることもあり、Vtuber界隈でも公式、ファンメイドを問わず推しに同様のダンスを踊らせるムーブメントが発生した。放送前の宣伝に新しい風を巻き起こし、この流れのまま本放送でも大きなムーブとなることが期待される。

『天穂のサクナヒメ』

　制作会社に注目するとP.A.WORKS作品が3作あり、いずれも要注目作だ。『天穂のサクナヒメ』はインディーゲームとして制作されながら、150万本以上の売り上げるなど異例の大ヒットを記録したゲームのTVアニメ化だ。ゲームクリアには稲作が重要な要素であり、本格的な稲作シュミレーションとしても作り込まれ、一部のプレイヤーが農林水産省のホームページを参考にするなどの話題を集めた。P.A.WORKSは富山県に本社があり、社長の堀川憲司のXアカウントでは実際の稲作にも取り組み、その様子も公開されている。まさに今作をTVアニメ化するのに最適なスタジオだ。PVでは和製ファンタジーとしてかわいらしいキャラクターが躍動しており、背景美術なども美しく、ゆったりと家族で楽しめる作品になりそうだ。