『鬼滅の刃』炭治郎のおにぎりを作ってみた! “炭火稽古”を乗り越えて沁みる味噌の味

『鬼滅の刃』炭治郎のおにぎりを作ってみた

 あの映画やドラマに出てくる美味しそうな料理は、どうやったら食べられるのか。スクリーンの向こうから食欲を誘う、濃厚で魅力的なパスタや、物語の中から香り立つように登場する心温まるクリーミーなスープ。ああ、どうしても食べてみたい。でもその料理たちは、画面の中の世界でしか味わえない……。

 しかし、ふと思った。もし食べられないのなら、自分で作るのはどうだろう?

 そんな“エンタメグルメ”に憧れるライターのすなくじらが実際に料理を作ってみる連載「絶対食べたいグルメ」。第2回は、TVアニメ『鬼滅の刃』柱稽古編より“炭治郎のおにぎり”でお送りする。

「柱稽古編」第6話に登場した“炭治郎のおにぎり”

 コアなアニメファンだけでなく、ファミリー層を巻き込み、今や国民的人気を誇るアニメとなった『鬼滅の刃』。現在放送中の「柱稽古編」では、鬼殺隊の強化を目的とした柱稽古の様子が描かれている。それぞれの呼吸の使い手である柱から隊士への直接指導は、過酷で厳しいものばかりだ。

 しかしそんな中でも、「食」が隊士たちを癒す場面も。「柱稽古編」の第6話「鬼殺隊最強」では、炭治郎が炭火で焼いたおにぎりをみんなに振る舞うシーンがある。厳しい鍛錬の後にみんなで食べる炭火で焼いたおにぎりが染みる……という描写なのだが、これが本当に美味しそうで、この企画の実施を私も楽しみにしていた。

 ……のだが、私は完全に“おにぎり”を舐めていた。結論から言うと、今回の企画は完成までに5時間かかっている。その理由は後述するが、竈門炭治郎という男の凄さを身をもって知ることになる。おにぎりひとつで、こんなにも苦労するとは。

 今回作ったのは、アニメで炭治郎が作っていた味噌おにぎりと塩おにぎりだ。ただし、今回ポイントとなるのが「炭火で焼く」という部分だ。ちなみに、簡単に筆者のアウトドアスペックを書くと、普段はインドアでキャンプも未経験。その辺りは不安しかないのだが、「おにぎりを焼く」ためだけに今回七輪を買ってみた。これぞ、エンタメグルメへの情熱である。

本企画で使用する七輪

 まずは、おにぎりを握っていく。今回は2合炊いたのだが、いかんせん炭治郎のおにぎりはサイズが重要なので、火を通すときに割れないよう少し強めに握っていく。味噌おにぎりの味噌に関しては、好みでいいとは思うが、今回は味噌とみりんを大体1対1(気持ち味噌多め)になるよう調整してハケで塗っていくことにした。

角ばった三角形になるように。塩も少々
味噌とみりんを混ぜる。気持ち味噌多めがオススメ
ハケを使うと味噌を均等に塗れます

炭火を始めるまでの苦労

 まずは、おにぎりが無事完成。あとは焼くだけ……だ。しかし、ここから地獄を見ることに。そう、火おこしである。火を起こす手順としては、「七輪の底に火皿をのせ、着火剤に火をつけ、その上に炭をのせる。炭火がおきるまでそのままにして待つ」とあるが、これが一向に火がつかない。

着火剤(チラシ)と炭を組み上げる
ライターは専用のものを使った方がベター

 ちなみに、炭火焼が美味しいのは、炭から出る「遠赤外線」の効果だそうだ。今回はおにぎりだが、炭火を使って肉や魚を焼くと、遠赤外線が表面にあるたんぱく質を高温で焼いて固め、素材の内側に肉汁が閉じ込められるから美味しいとのこと。

 今回選んだのはオガ炭という種類のすみだったのだが、白炭や備長炭といった他の種類によってさまざまな特徴があるので、焼きたいものによって変えることもあるらしい。炭の世界も、鬼の世界同様、奥が深い。

今回はオガ炭を使用

 またズボラな性格ゆえ、着火剤の代わりにポストに入っていたチラシを使っていたのだが、多くは新聞紙を推奨していた。しかし、我が家は新聞をとっていない。仕方なく、途中から燃やすためだけに新聞をコンビニに買いに行くことに。着火剤はきちんと用意しておくことをおすすめする。

扇ぎ続けてやっと炭が赤色に……!

 その後もなかなか火がつかずだったのだが、根気よくパタパタと風を送り続けるうちにようやく火が…!  強火になったところでおにぎりを並べて……。

焼き上がりを待ちます……
裏返すといい感じ! 裏面も味噌を忘れずに

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