吉沢亮、“芝居をしないように演じた”『PICU』を語る 「今後も続いていってくれれば嬉しい」
2022年10月期に放送された吉沢亮主演の月9ドラマ『PICU 小児集中治療室』(以下、『PICU』)が、オール新作のスペシャルドラマとして帰ってくる。しこちゃん先生こと駆け出しの小児科医・志子田武四郎(吉沢亮)が、幼い命を救うために奮闘しながら、医師として、人間として成長していく姿を描いたメディカルヒューマンドラマ。
スペシャルドラマの放送前を前に、主演の吉沢に作品の見どころや医療シーンを演じる難しさ、大竹しのぶら共演者とのエピソードについて話を聞いた。
『PICU 小児集中治療室』は「挑戦的な部分が多い作品」
――2022年に放送された『PICU』の放送終了後の反響はいかがでしたか?
吉沢亮(以下、吉沢):反響は大きかったです。友達からも「全部観ていた」と言ってもらいました。あのときは連ドラに出ること自体が久々でしたし、ゴールデン帯ドラマの主演も初めての経験ということで、『PICU』は僕の中で挑戦的な部分が多い作品でした。そういう意味では反響が大きくて安心しました。
――今回、スペシャルドラマで『PICU』が帰ってきます。再び志子田先生を演じると決まったときの心境を聞かせてください。
吉沢:『PICU』はスタッフの皆さん、役者の皆さんともに気持ちのいい方ばかりで、居心地のいい現場でした。だから、また皆さんにお会いできることが嬉しかったです。現場では、皆さん変わらずに笑いが絶えません。
――大竹しのぶさんとも、久々の共演ですね。
吉沢:大竹さんとお芝居をすると、すごく「息子」にしてくださいます。大竹さんの放つオーラがとても温かいので、いい意味でこちらも遠慮せずに芝居ができるのだと思います。約1年ぶりに会ってお芝居をしましたが、最初からいいテンポ感でセリフのやりとりをさせてもらっている印象でした。今回の大竹さんとのシーンは、視聴者の皆さんにとってグッとくるんじゃないかという気がしています。
――ほかにも共演者の方とのエピソードがあれば教えてください。
吉沢:連ドラのときはコロナ禍での撮影だったため、ご飯に行く機会などはありませんでした。でも、今回は北海道ロケのときに安田(顕)さんとお寿司を食べに行くことができたんです。お酒を飲みながらいろんな話ができて楽しかったですね。
――ドラマから約1年が過ぎて先輩になった志子田先生を台本で読んだ感想は?
吉沢:しこちゃん(志子田)先生は先輩というものをちょっと履き違えている感じがあり、そこが愛くるしいなと思いながら読んでいました。作中には辛い現実がたくさんありますが、そこに囚われすぎることなく、笑える部分は笑えるし、なにより生活感を強く感じる台本だと思いました。しこちゃん先生の子どもへの愛情の部分は前回と変わらなかったのでよかったです。
――役を演じるにあたり、意識して変えた部分などはありますか?
吉沢:変えようという意識はなかったです。実は連ドラのときも、あまりお芝居をしないようにしながら演じていて。感じたものを表に表現しようとせず、ただその場にいるようにしていました。今回もそこを重視しながらやっているので、約1年経って成長しているという点は意識しませんでした。
――「ただその場にいるようにしている」ということですが、それはなぜですか?
吉沢:連ドラのときに台本を読んでいて、自分と近い感情を感じるなど共感できる部分がたくさんありました。これはあえて作り込むよりも、演じる僕自身が思った感情をそのまま使った方がリアルでいいんじゃないかと思ったからです。会話をしている中でただただ感じたことが滲み出てくれればいいなという気持ちで、あまり作り込まずに演じていました。医療の技術的な部分の勉強は結構しましたが、それ以外は特に何もしていません。
――子役の皆さんとは、どうやってコミュニケーションを取っているのですか?
吉沢:「出身、どこですか?」「学校では何をやっているんですか?」という話をしています。子役の子たちは泣き芝居がとても多いから、集中しなきゃいけない時間も長いんです。そういうときには、あまり話しかけないようにしていました。基本的には大人の共演者の方々と同じように接していました。
――現場の皆さんとの掛け合いから自然と芝居ができていくのでしょうか?
吉沢:そうだと思います。周りは素晴らしい役者さんばかりなので現場でキャッチボールしながら進めています。
――医療シーンについて難しさを感じることはありましたか?
吉沢:すごく難しかったです。今回はしこちゃん先生が成長しているため、ほぼ一人で手術シーンを回すこともあって、かなり大変でした。でも監修の先生たちがちゃんと見てくれていて、丁寧に教えてくれるので心配なく演じさせていただきました。